1998 Fiscal Year Annual Research Report
コンドロイチン硫酸生合成に関わるN-アセチルガラクトサミン転移酵素の精製と性質
Project/Area Number |
09772013
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
北川 裕之 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (40221915)
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Keywords | コンドロイチン硫酸 / グリコサミノグリカン / 糖転移酵素 / プロテオグリカン / N-アセチルガラクトサミン / グルクロン酸 / 複合糖質 / 酵素の精製 |
Research Abstract |
コンドロイチン硫酸の骨格の主要部分は、GalNAcとGcAが交互に繰り返した高分子の重合体であり、その合成のスピードは極めて速いため、各糖を転移する酵素がゴルジ膜上で複合体を形成していると考えられていた。しかし、最近、ヘパリン/ヘパラン硫酸やヒアルロン酸などの他のグリコサミノグリカンの生合成に関与する複数の酵素活性が、単一のタンパク質によって触媒される例がいくつか示されるようになった。そこで本研究では、コンドロイチン硫酸の生合成にも同様のメカニズムが存在するのではないかという仮説をたて、その生合成に関与するGalNAc転移酵素を精製し、その酵素がGlcA転移酵素活性を併せ持つかどうかを明らかにしようとした。 我々は以前、血清よりCSの二糖繰り返し領域の重合に関与するGalNAc転移酵素II、GlcA転移酵素IIを見出し、活性検出法を確立している.そこでその活性検出法に従い、ウシ胎児血清を酵素源とし、K4大腸菌夾膜多糖よりオリゴ糖{GlcA-(GalNAc-GlcA)_n-anTal(n≧3)}、{GalNAc-GlcA)_n-anTal(n≧3)}を調製し、それぞれGalNAc転移酵素及びGlcA転移酵素の基質に用いた.両転移酵素とも1.6Lのウシ胎児血清からRedAアガロース、フェニル-セフ7ロース、S-セファロースにより700倍以上精製されたが、両転移酵素活性は分離されなかった。ゲル濾過クロマトグラフィーでも分離されず、両酵素は共に分子量160kDaに溶出した。このように、両酵素活性は高度に精製されたにもがかわらず、分離されなかったことから、両酵素活性は同一のタンパク質上に存在することが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 北川裕之他: "Moleclar Cloning and Expression of Glucuronyltronsferae I Inulvel in the Biosynthesis of the Glycosaminglycan-Protein Linkoge Reger of Proteoglycan" J.Biol.Chem.273・12. 6615-6618 (1998)
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[Publications] 灘中里美他: "Demonstration of the Immature Glycosaminoglycan Tetrasaccharide Sequence GlcAPI-3 Galβ1-3Galβ1-4xyl on Recombinant Soluble Human α Thrombomodutin" J.Biol.Chem.273・50. 33728-33734 (1998)