1997 Fiscal Year Annual Research Report
細胞選択的遺伝子導入を可能にするペプチド性核酸キャリアーの構築
Project/Area Number |
09772027
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
新留 琢郎 長崎大学, 工学部, 助手 (20264210)
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Keywords | 遺伝子治療 / 遺伝子導入 / 肝細胞 / ペプチド / ガラクトース |
Research Abstract |
現在、外来遺伝子を細胞内に導入し、先天性疾患およびガン、エイズといった難病を治療する遺伝子治療が注目を浴びているが、その安全性や導入効率に問題が残されている。これまで、我々は合成ペプチドを核酸キャリアーとして用いた遺伝子導入法についてその有効性を示してきたが、本研究では安全かつ高効率な遺伝子導入を可能にする細胞選択的な遺伝子導入法を構築することを目的とした。今回は肝細胞表面にガラクトースレセプターが存在することに注目し、ガラクトース修飾ペプチドを用いた肝細胞特異的遺伝子導入について検討した。まず、ペプチド1分子あたり1〜4個のガラクトース残基を導入したペプチドを設計合成した。はじめに、アガローズ電気泳動においてペプチド-DNA複合体の形成について解析した結果、いずれのペプチドもプラスミドDNAと強く結合することがわかり、糖の修飾個数が増加するにしたがって、その結合能は若干強くなることがわかった。また、円二色性スペクトルを用いてペプチドの構造的特徴を解析した結果、ペプチドはDNAと結合した状態で、安定なα-ヘリックス構造を形成していることが明らかになった。 また、これらのペプチドはヒト肝ガン由来株化細胞表面に効果的に結合することがわかり、現在、これらペプチドによる遺伝子導入を、ルシフェラーゼをコードしたプラスミドDNAを導入遺伝子として用い解析している。 今後、細胞内外でのペプチド-DNA挙動を詳細に解析し、より高効率な遺伝子導入を可能にする核酸キャリアー分子の構築を進める予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takuro Niidome et al.: "Structure and Property of Model Peptides of Proline/Arginine-rich Region in Bactenecin5" Journal of Peptide Research. (印刷中). (1998)
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[Publications] Naoya Ohmori et al.: "Interaction of α-Helical Peptides with Phospholipid Membrane : Effects of Chain Length and Hydrophobicity of Peptides" Journal of Peptide Research. (印刷中). (1998)
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[Publications] Kinnosuke Yahiro et al.: "Helicobacter pylori Vacuolating Cytotoxin(Vac A)Binds to the 140kDa Protein in Human Gastric Cancer Cell Lines, AZ-521 and AGS" Biochemical Biophysical Research Communications. 238. 629-632 (1997)
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[Publications] Takuro Niidome et al.: "Interaction of Lipophilic Peptides Derived from Mastoparan with Phospholipid Vesicles" Journal of Peptide Research. 50. 458-464 (1997)
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[Publications] Naoya Ohmori et al.: "The Enhance Effect of Anionic α-Helical Peptide on Cationic Peptide-Mediating Transfection Systems" Biochemical Biophysical Research Communications. 235. 726-729 (1997)
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[Publications] Takuro Niidome et al.: "Binding of Cationic α-Helical Peptides to Plasmid DNA and Their Gene Transfer Abilities into Cells" Journal of Biological Chemistry. 272. 15307-15312 (1997)