1997 Fiscal Year Annual Research Report
医療被曝大幅低減撮影手法 -同位相グリッドレスおよびグリッド撮影法(GLG)-
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09772039
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小縣 裕二 大阪大学, 医学部, 助手 (60281127)
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Keywords | GLG法 / 被曝線量 / 散乱X線 / 後処理 / CR |
Research Abstract |
最近多くの施設に導入されているCR装置と、これまでの研究成果を利用し、一度散乱X線を含む画像を形成してから、後処理で散乱X線成分だけを取り除く手法を考えた。この医療被曝を大幅に低減できる撮影法(GLG法)で胸部ファントムを撮影し、実際に処理を行った。得られたGLG像について、視覚評価および模擬血管を使った画素値分布による物理評価を行った。その結果、縦隔部等の散乱X線が多く発生すると考えられる部分では、視覚評価および物理評価とも良い結果が得られ、期待通りの散乱X除去効果があることがわかった。しかし一方、肺野部分の末梢血管の描出は、従来法で撮影した画像に比べやや劣っていた。また、線量が少なくなると、全体に粒状性が悪くなる等の問題点もわかった。 各画像のヒストグラム解析および各部位の画素値解析の結果、これらの問題点は、散乱X線が多く発生する縦隔部を中心に、各係数を設定したためとわかった。そこで、肺野部の末梢血管の描出および粒状性の改善に重点を置き、各係数の調整を繰り返した。その結果、線量を少なくしても、極端な画質の劣化はなく、肺野の末梢血管の描出、および画像全体の粒状性が改善できた。放射線科医も「全体に見やすく、従来法で撮影した画像と比較しても極端な画質の劣化はない。末梢の血管の走行も十分に観察でき、特に問題はない」と評価した。 現在、実用化に向け腫瘍や間質性肺炎等の淡い陰影の描出等について、模擬結節などを用いて検討中である。
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Research Products
(1 results)