1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09772042
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 昌 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70265916)
|
Keywords | 心肺停止 / 心肺蘇生術 / 中止 / 転帰 |
Research Abstract |
病院到着時に心肺停止状態であった患者355人のうち、自己心拍が再開し、循環動態の安定した患者62人を研究対象とした。これらの対象患者で心肺蘇生処置を施行した時間は14.3±7.0分(平均±標準偏差)、範囲は2〜28分であった。男女別には男性で14.7±7.3分、女性で13.9±6.8分で、有意差を認めなかった。心肺停止の原因となった傷病別には、心疾患で14.5±6.3分、窒息で11.6±6.3分、脳血管障害で18.0±8.6分、その他で13.5±5.5分で、有意な群間差を認めなかった。転帰別には、30日以上生存した患者で9.0±10.6分、7日以上生存した患者で14.2±6.8分、1日以上生存した患者で14.3±6.5分、また、24時間以内に死亡した患者で19.6±5.4分で、有意な群間差を認めなかったものの、長期生存した患者では、比較的短時間で心肺蘇生術に反応して自己心拍が再開する傾向が考えられた。 以上の結果から、病院到着時に心肺停止状態であった患者に対する心肺蘇生処置は、性別・原因傷病に関わらず、30分間施行すべきであると考えられた。 今後は、心肺蘇生処置をいつまで続けるべきかを明らかにするために、心肺蘇生処置の施行時間と転帰との関係を解析し、生存退院が期待できなくなるのは心肺蘇生処置を開始してから何分後なのかを明らかにする予定である。また、心肺蘇生処置を中止するための指標として、呼気ガス中の炭酸ガス分圧の測定が有用か否かを検討する準備を行っている。
|