1997 Fiscal Year Annual Research Report
トリグリセリドの上昇を伴う低HDLコレステロール血症の原因遺伝子の解析
Project/Area Number |
09772047
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柳 久子 筑波大学, 社会医学系, 講師 (10241811)
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Keywords | 高脂血症 / 低HDL血症 / リポタンパクリパーゼ / 遺伝子多型 / トリグリヤリド / HDL-コレステロール / 遺伝素因 / 生活習慣病 |
Research Abstract |
本年度は、まず、リポ蛋白リパーゼ(LPL)遺伝子のexon9の多型であるSer447Ter(TCA→TGA)に着目し、この多型の日本人一般集団における頻度と脂質値への影響、ならびに高TG血症を伴う低HDL-C血症(低HDL+高TG)との関連を中心にを検討した。つくば市周辺で実施している小児成人病予防検診受診者の中から無作為に抽出した510名(小児一般集団)、および、同検診受診者中HDL-C値40mg/dl未満を基準にスクリーニングした低HDL血症小児263名(低HDL小児)を対象とし、PCR-RFLPs法による多型の検出を行った。小児一般集団におけるLPL Ser447stop変異を有する者の頻度は22.4%(n=114)であった。Ser447stopを有する者のTG値の平均値は有さない者に比して有意に低く(p<0.05)、Ser447stopを有する者のHDL-C値の平均は、有さない者に比して有意に高かった(p<0.05)。また低HDL小児においてこの変異を有する者の頻度は14.8%(n=39)であり、小児一般集団に比して有意に低く(p<0.02)、さらに、低HDL小児においては、TGが高い群ほど、この変異を有する者が少なかった。これらの結果より小児一般集団におけるLPL Ser447stopを有する者の頻度は22%であり、Ser447stopはTGの減少、HDL-Cの増加に作用する多型であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)