1997 Fiscal Year Annual Research Report
In vitro実験によるin vivo薬物間相互作用の予測-レセプター結合占有理論に基づく薬効予測法の開発-
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09772049
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
伊藤 清美 北里大学, 薬学部, 講師 (60232435)
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Keywords | 薬物間相互作用 / 代謝阻害 / in vitro / in vivo / 能動輸送 |
Research Abstract |
P450代謝における競合阻害が関与すると考えられる種々の薬物間相互作用について、阻害剤の肝臓中と門脈血中の非結合型濃度が等しいと仮定し、ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro代謝阻害試験により得られた阻害定数(Ki)を基にin vivoでのAUC上昇率の予測を試みた。False negativeを避ける基本方針で予測を行うため、阻害剤の肝臓中フリー濃度(Iu)は門脈血中フリー濃度に近似し、肝動脈血と門脈血が合流して肝臓へ流入する部分のフリー濃度をIuの最大値として考えた。Tolbutamide-Sulfaphenazole、Triazolam-Ketoconazole等の相互作用については定量的予測が可能であったが、in vivo薬物間相互作用が過小評価される組み合わせもあった。肝臓への取り込みに能動輸送が関与する場合には、肝臓内のフリー濃度は肝毛細血管中フリー濃度に比べ高くなることから、予測性が悪くなる理由の1つとして、阻害剤の肝臓内への能動輸送の可能性をラット遊離肝細胞を用いて検討した。Medium中にrotenoneあるいはFCCP等のATP枯渇剤を添加することにより受動拡散による取り込み速度を求め、生理的条件下での値との比から、肝臓中/血漿中非結合型濃度比を算出した。Quinidine、Erythromycin、Sulfaphenazole、およびKetoconazoleでは多少細胞内への濃縮が認められたが、Omeprazoleについては全く能動輸送をされないという結果が得られた。これらの肝細胞への濃縮率を考慮したうえで、in vivoの薬物間相互作用の予測を再検討した結果、いずれの組み合わせについてもAUC予測上昇率はほとんど変化せず、今回検討した阻害剤では能動輸送の関与は小さいと考えられた。しかし、ラットとヒトの細胞で種差がある可能性もあるので、ヒト肝細胞あるいは肝スライスを用いて同様の測定をすることにより、予測性の向上が可能になると考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Ito: "Quantitative prediction of in vivo drug clearance and drug interactions from in vitro data on metabolism together with binding and transport." Ann.Rev.Pharmacol.Toxicol.38(in press). (1998)
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[Publications] K.Ito: "Pharmacokinetic analysis of benzodiazepine repeptor binding of [^<123>I]iomazenil in human brain." Pharm.Res.14(8). 999-1003 (1997)
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[Publications] K.Haraguchi: "Prediction of drug-induced catalepsy based on dcpamine D_1,D_2 and mAch receptor occupancy." Drug Metab.Dispos.25(6). 675-684 (1997)
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[Publications] K.Haraguchi: "Catalepsy induced by calcium channel blockers in mice." Biopharm.Drug Dispos.(in press). (1998)
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[Publications] 杉山雄一: "抗癌剤の相互作用-これからの抗癌剤治療戦略-" 医薬ジャーナル社, 222 (1998)