1997 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性肝炎診断のための抗ヒトP450自己抗体測定法の開発に関する研究
Project/Area Number |
09772066
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
多田 尚人 大阪大学, 医学部, 講師 (80263242)
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Keywords | 自己免疫性肝炎 / 自己抗体 / P450 2D6 / ラジオリガンドアッセイ / 発症予測 |
Research Abstract |
抗肝腎ミクロソーム抗体1(LKM1)の抗原であるチトクロームP-450 IID6のより特異的で高感度な自己抗体測定法の開発により、典型的症候をあらわさないため診断されない軽症例の診断に役立つか、臨床的意義を評価することを目的として研究を始めた。 まず、ヒトレコンビナントチトクロームP-450 IID6を抗原としたELISAによる自己抗体測定系の設定を試みた。ELISAの構成を通常の抗原固相に2次抗体を用いる方法、抗原サンドイッチによる方法を試みたが、非特異結合によるバックグラウンドがあまり低くならず、また蛍光抗体法で陽性の検体が陽性にでないことがあり、抗原固相による蛋白の高次構造の変化のためと考えられた。 このため、当初の予定を変更して、より高次構造を保ちうる方法としてRadioligand assayを試みることにした。プラスミドに組み込んだヒトチトクロームP-450 IID6を大量に調整し、T7ファージのRNAポリメラーゼと網状赤血球抽出液からの蛋白翻訳系をつかって無細胞下で^<35>S-メチオニンでラベルを入れたチトクロームP-450 IID6を合成する。これを検体と液相で反応させ、できた抗原抗体複合体を分離し、放射活性で測定する方法である。この方法は得られる蛋白量の少ないのが欠点であるが、高次構造を保ちうることと得られる蛋白のほとんどすべてがP-450 IID6由来でありるため非特異反応が少ないことが期待される。現在はこの方法で測定系を構成して、試験的に少数検体を測定できる段階にあるが、蛍光抗体法で陽性の検体が確実に陽性にでるばかりでなく、ANA、抗平滑筋抗体陽性でI型の自己免疫細肝炎に分類される患者検体の一部でP-450 IID6抗体が陽性にでており今後さらに検討する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Watanabe Y, et al: "Subtypes of anti-TSH receptor antibodies classified by various assays using CHO cells expressing wild type or chimeric human TSH receptor." Thyroid. 7・1. 13-19 (1997)
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[Publications] Tetsumoto T, et al.: "Effect of thyrotropin stimulation blocking antibodies on TSH- and epidermal growth factor-induced DNA synthesis in FRTL-5 cells" Thyroidology. 9・1. 5-9 (1997)
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[Publications] Iijima T, et al: "Effect of autoantibodies on the course of pregnancy and fetal growth" Obstetrics & Gynecology. 90・3. 364-369 (1997)
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[Publications] Amino N, et al: "Current Therapy in Endocrinology and Metabolism,6thed." Mosby-Year Book,Inc.,Philadelphia, 4 (1997)