1998 Fiscal Year Annual Research Report
ダウン症出生前診断のためのAFP,hCG及びE3の三成分同時定量法の開発
Project/Area Number |
09772072
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
伊藤 克敏 昭和大学, 薬学部, 講師 (20223141)
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Keywords | AFP / hCG / estriol / time-resolyed fluoroimmunoassay / europium ion chelate / Sumarium ion chelate / simulanous determination |
Research Abstract |
希土類イオンキレートを標識体とする時間分解蛍光イムノアッセイ(TR-FIA)は高感度かつ多成分を同時に測定するイムノアッセイを確立することが可能である。本申請では,希土類イオンとしてEu^<3+>とSm^<3+>を用い,ダウン症出生前診断のマーカーである母胎血中AFP,hCG及びエストリオール(E3)の三成分の同時測定を目的とするTR-FIAについて検討した。AFP及びhCGはサンドイッチ法,E3は競合法で測定した。三成分を同一ウェル上で測定するために,AFP及びhCGはマイクロタイタープレート上で,E3はTSPプレート上で反応させ,このマイクロタイタープレートにTSPプレートを被せることにより三成分同時定量を行った。 本三成分同時定量における検量域はAFPが3.91-1000ng/mL,hCGが877-250000IU/L,E3が0.39-100ng/mLの範囲で得られ,これらはいずれも妊婦の正常値を十分測定できるものであった。また同時再現性は日内及び日間でそれぞれAFPが1.81-9.84%及び4.93-15.83%,hCGが2.98-9.47%及び5.34-21.04%,E3が3.05-8.93%及び6.26-21.70%と良好であった。さらに本法と従来法との相関はAFPがr=0.987,hCGがr=0.924,E3がr=0.938と良好であった。 本法は多数の検体を希釈せずに同時定量することができ,分析に要する時間も2時間弱と迅速な方法であるためマススクリーニング法としても有用であると思われる。また,2種の希土類イオンを標識に用いる3種の分析対象物の同時アッセイ法は,本報告が初めてである。
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[Publications] Katsutoshi Ito,et al.: "Simulaweous determination of alpha-fetoprotein,human choronic genadotropin and estriol in preghant serulis by time-resolved flueroimmunoassay" J.Pharm.Biomed.Anal.(in press). (1999)