1997 Fiscal Year Annual Research Report
PCR-CFLP(切断酵素断片長多型性)を用いた結核菌耐生、遺伝子変異の直接検出法
Project/Area Number |
09772073
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
布施川 久恵 東海大学, 医学部, 助手 (20238645)
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Keywords | 結核菌 / リファンピシン耐生菌株 / 切断酵素断片長多型性 / 結核菌耐生遺伝子変異 / 多剤耐生 |
Research Abstract |
今日結核の治療開始時に,治療薬選択に関する迅速検査に適切なものがない。結核治療のための菌の薬剤耐性試験を施行するためには,8〜10週と長期間の培養期間を要し,治療開始前に情報入手ができない。培養不能菌の薬剤耐性の情報を得ることは全く不可能である。本研究の目的は,多剤耐性菌の迅速な検出法として,PCRによるrpoB遺伝子増幅産物の切断酵素断片長多型性(PCR-CFLP)検出法を開発することである。まず,臨床菌株から耐性菌株を収集し,これを用いてrpoB遺伝子のPCR-CFLPを試み,さらに菌株マーカーとなりうる反復配列IS6110遺伝子のPCR法によるフィンガープリント検出との比較を行う。レファンピシン耐性菌株の同定は,薬剤感受性試験にて臨床分離菌株から抗結核剤(RFP,SM,PAS,INH,KM,EB)の薬剤感受性スペクトル培地を用いたマイクロタイタ-法にて行った。その結果,臨床分離株から6/21(28.6%)株にリファンピシン耐性菌株がみられた。いずれの菌株も,SM,INHなど多剤耐性パターンを示した。IS6110遺伝子の反復配列の検出は,臨床検体およびコロニーからDNAを抽出し,PCRを用いて増幅後アクリルアミドゲル電気泳動で解析し,銀染色にて検出した。この方法により培養を必要とせず直接検体から菌株の鑑別同定が可能となった。現在,耐性菌株と感受性菌株の鑑別のための検査としてリファンピシン耐性菌株の反復配列のパターン解析,PCR-CFLP法によるrpoB遺伝子の点突然変異検出の比較検討中である。
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