1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09772081
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
谷口 好美 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50280988)
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Keywords | 高齢者 / 虐待 / 家族関係 / 看護職 |
Research Abstract |
近年、在宅ケアの推進が進む中、家庭内の高齢者虐待の実態が明らかにされるようになり、社会的にも問題視されるようになった。介護者の負担を軽減し、介護を受ける高齢者が安心して家庭で生活できるように対応策を考えることが急務になっている。 これまでの先行研究の結果では、市町村保健婦が把握した事例の状況として被害老人は女性が多く、寝たきりなど要介助者が6割以上、痴呆のある者が5割以上みられている。また、加害者は介護を行っている家族であり、続柄として嫁、実子が多く、介護について精神的に苦痛を感じている事例が多かったことから、家庭で高齢者を介護することの過酷さを表した結果となっている。また、埼玉県の事例を分析した結果、家族関係上は大部分の事例について人間関係が悪化している状態であり、放置・放任に結びついている可能性も示唆されている。 本研究の目的は、高齢者虐待に関連する家族関係上の要因を明らかにすることである。中でも家庭内で起こる虐待は潜在化しやすい問題であるため、東京都、埼玉県、福岡県、山形県で訪問活動を行い、事例に直接関わった看護職を対象に、高齢者虐待の事例を収集し、家族関係を軸に質的・量的分析を行い、家族関係上の要因を抽出する。これによって、家庭内の高齢者虐待に対応する看護援助のあり方を考察する。 (奨励研究(A) 平成10年度まで申請、継続中)
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