1997 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性心疾患患者の行動パターン修正へのアプローチ方法の検討
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09772083
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
河村 一海 金沢大学, 医学部, 助手 (50251963)
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Keywords | タイプA行動パターン / 虚血性心疾患患者 / ストレス認知 / 行動修正 / 影響因子 |
Research Abstract |
虚血性心疾患患者のストレス認知と行動パターンの実態を明らかにし、疾患発症前後で、そのことが変化する割合、またその影響因子を疾病歴や背景、疾病のコントロール状況、ストレスの面から検討した。対象は金沢大学医学部附属病院第2内科循環器外来に定期的に通院している虚血性心疾患患者62名とした。対象の条件は、診断の定義に該当し、急性期を脱して半年以上経過しており、調査時に社会復帰している者で、研究についての説明は外来主治医の協力を得た研究に対する同意が得られた者とした。方法は発症前と現在の対象のタイプAを知るために、前田の作成した「A型傾向判別表」(30点満点)を使用し、合計得点17点以上をタイプA、16点以下をタイプBと判定した。また対象が日常生活においてどの程度のストレスを受けているかを把握するために、東京都精神医学総合研究所にて作成された「精神研式ストレス尺度」(総得点100点)を使用し、評価した。その結果、1.発症前の行動パターンがタイプAだと評価した患者が5割を占めた。2.発症後行動修正された患者は多く、発症前タイプAだった人の45%がタイプBとなった。またタイプ型の変化までしなくても、A型傾向判別表の得点が有意に低下し、行動修正傾向がみられた。3.タイプAとタイプBの比較で、タイプAはストレスを受けやすい性格で、ストレス負荷も大きいことが証明された。4.発症前にタイプAであり現在タイプBに行動変容した者の方が、発症前も現在も、タイプAあるいはタイプBのままの者より、平均罹患年数が長く、平均8.3年であった。5.修正への看護では、修正していくための年月の短縮、ストレスを受けやすい性格への対応を考慮していく必要があることが示唆された。また、行動修正に至らない人の要因の検討が今後の課題であるといえた。
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