1997 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニケーション技術の教育方法の検討-視線の動きの測定評価に基づく自己学習法の開発-
Project/Area Number |
09772090
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久米 弥寿子 大阪大学, 医学部, 助手 (30273634)
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Keywords | コミュニケーション技術 / 看護技術 / 看護学生 / 教育方法 / 眼球運動 / 視線 / アイマークレコーダー / 自己学習法 |
Research Abstract |
本研究は、コミュニケーション技術に対する自己洞察を促し、技術の体験学習を効果的にする教育方法の検討を目的としている。具体的には、1.看護学生と熟練看護者の視点の移動特性の抽出、2.自己評価学習の指導のための特性比較法の検討、3.学習場面への導入法の検討などをあげている。 以上の目的に対して、まず本年度の研究実施計画に基づき、注視点記録装置を用いることに関連して、次の検討を行なった。 1.文献検索、資料収集による測定環境の検討:関連資料の検索を行い、(1)測定場所、(2)測定の精度に影響を与える因子、(3)測定後の解析に用いるソフトの妥当性についての検討を行った。 2.看護学生の視点の移動特性の抽出:設定された場面で、学生の視線がどのように動いているのか予備調査(看護学生5名)を行い、測定の正確性やその測定環境の見直しをしている段階である。加えて、測定における場面設定を調整している。特にデータの信頼性を左右するため、(1)視点の対象物、(2)視点の停留時間、(3)視点停留密度の分布、(4)視点移動の速度、(5)視点移動の方向、(6)視点の移動距離、(7)視野などの内容を正確に把握するための被験者側の状況設定を慎重に行っている。状況設定そのものが教育教材となり、自己学習の効果に影響を与えることが検討要素となった。その上で経時的変化を追跡するため、測定結果に基づく学習の前後、および回数を重ねていく中での変化など、学習段階の進行に伴う時間的経過は追跡して測定中である。 平成10年度には、被験者を看護者に広げ、本格的なデータ収集と分析を行い、学生と看護者のそれぞれの傾向を比較する。結果に基づき教育効果の検討を行い、自己学習の効果を高めるための指導面での具体的なかかわり方やその導入時期などについて考察する。
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