1997 Fiscal Year Annual Research Report
看護免許保持者のキャリアスタイルと看護供給量に関する研究〜全国調査に向けたデータ収集に関する検討
Project/Area Number |
09772108
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Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
前田 樹海 長野県看護大学, 看護学部・看護学科, 助手 (80291574)
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Keywords | Nursing / License holder / Manpower / Vital statistics / Career style / Data collection |
Research Abstract |
少子,高齢社会を迎え,専門的ケアの重要な担い手である看護有資格者の就業や離職あるいは進学の動向を把握することは,今後の看護養成や看護労働力を考える上で必要不可欠なものである.しかしながら,わが国には看護有資格者の動態を把握するためのシステムはなく,隔年実施されている「従事者届」をもとに,その時点で就業している看護職の静態を捉えているのが実状である.筆者は看護有資格者の動態を明らかにするために,N県の看護教育機関卒業者を対象とした履歴調査を実施し,教育課程の相違により卒後の就職動向に差があるということを明らかとする一方で,宛先不明や転居先不明により回収率が悪く,卒業者名簿をもとにした郵送調査法の限界が示唆された.そこで今回,看護有資格者の動態把握のためのデータ収集のあり方を検討することに重点を置いた基礎的調査を行うこととし,今年度は,1)既存のデータを流用できないかどうかの文献の検討,2)有職者へのヒアリング,3)新たな手法としてインターネットを利用したデータ収集の検討に重点を置いて調査を実施した.その結果,1)2)に関しては,データは公表,非公表を含めてさまざまな教育課程を終えた看護有資格者の卒後の動向を具体的に示すデータベースは存在しないこと,さらに,この1〜2年中に新たな統計をとる予定はないことが明らかとなり,独自の調査の必要性が再確認された.なお,具体的な調査方法に関しては,来年度検討していく予定である.また,3)に関しては閲覧者が必ずしも看護有資格者ではないことと,インターネットへの接続環境がまだ十分に整っていないという問題について考慮しなければならないが,全国的な調査を低コストで行うためのツールとしての有用性が示され,今後より精度の高い調査法について検討していく予定である.
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