1998 Fiscal Year Annual Research Report
積雪地域における高齢者(85歳以上)の外出行動の季節差と健康
Project/Area Number |
09772113
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
工藤 禎子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教授 (00214974)
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Keywords | 高齢者 / 保健行動 / 外出 / 健康 / 健康度自己評価 / 季節 / 身体自立度 |
Research Abstract |
【目的】85歳以上高齢者の寝たきり予防のための基礎資料収集と、生活支援のあり方の検討を目的とし、「年間を通じて外出行動が保障されている高齢者は健康レベルが高い」という仮説の検証をめざした。具体目標は、積雪期と非積雪期の外出行動の実態及び外出の季節差と健康のレベルの関連を明らかにすることである。 【方法】一自治体の85歳以上在宅高齢者を対象に積雪期(2月)と非積雪期(10月)の外出と健康について訪問面接調査を行った。積雪期79人、非積雪期71人中、調査に2回とも応じられた60人を分析対象者とした。 【結果】1.積雪期と非積雪期の外出 (1)平均外出日数:積雪期4.6±2.9日/週、非積雪期5.2±2.4日/週であり、有意な差はみられなかった。性別、年齢との関連は明らかではなかった。 (2)外出先:積雪期には町内診療所(62%)、商店(60%)、金融機関(53%)が多く、非積雪期には草取り(63%)、町内診療所(62%)、散歩(62%)が多かった。 (3)季節差からみた外出パタン:「通年週3日以上」58%、「通年週2日以下」12%、「積雪期>非積雪期」8%、「非積雪期>積雪期」22%であり、季節差のない者が多数を占めた。「通年週2日以下」「積雪期>非積雪期」「非積雪期>積雪期」の者は「通年週3日以上」に比べて有意に自立度が低かった。 2. 外出行動と健康の関連:健康度自己評価・疾病と外出パタンには有意な関連はみられなかった。「通年週3日以上」外出のものは、IADL、ADL、知的機能が有意に高かった。 【考察】年間を通じて外出の多い者は健康レベルが高いことが明らかとなり仮説が検証された。
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