1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09780011
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Research Institution | Aichi Prefectural College of Nursing & Health |
Principal Investigator |
柳堀 朗子 愛知県立看護大学, 看護学部, 講師 (50251228)
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Keywords | 高齢者 / 栄養摂取状況 / 身体活動量 |
Research Abstract |
1.栄養摂取状況調査:本年度は高齢者の栄養摂取状況を把握するために用いることを計画している調査票を60歳以上の女性5名に3回に渡って記入してもらい,合わせて5日間,秤量法による食物摂取調査も実施した.また,59〜60歳の女性37名にも同様の調査票で栄養素等の摂取状況調査を行い,記入漏れ等を調べた.その結果,調査票の項目数が多く文字が小さいため,高齢者には読みにくく,記入に時間がかかる,慣れるまでは書き漏らしが多いなどの問題点がみつかり,本調査票を用いる場合には説明を十分に行うこと,文字を大きく印刷するがあることが考えられた.食事調査との整合性については現在検討中である. 2.身体活動量調査:身体活動量を把握するための質問紙を作るために,高齢者の身体活動量に関する文献研究を行った.Medrineにより過去10年間の文献検索をし,海外の質問紙の項目を調査した.その結果,高齢者の身体活動量を調べる場合には日常生活の動作を中心に,項目数を絞った質問紙が構成されていること,エネルギー消費量に換算する場合には既存の測定値が高齢者の値ではないので注意が必要であること,質問紙の中では高齢者の身体状況が把握されていないことなどが明らかになった。また,地域在住の65歳以上の高齢者34名を対象にジグザグ歩行時間,握力,椅子から立ち上がり歩行し戻って座る時間,ロープくぐり時間,缶にボールを入れる動作時間という,日常生活によくある動作時間等が日常生活状況や身体状況を反映するものであるかを検討した.身体活動に支障のあるものはこれらの動作時間が長くかかること,買い物の頻度や日常的な運動の有無と歩行時間に関連が強いことが明らかになかったが,動作をしている時間を細かく答えることは難しいことなどから日常生活状況の把握が主な動作の有無を聞くだけのものに留まってしまった.従って,測定機等により高齢者の活動状況を負担が少なく客観的に測定する必要性が考えられ,その方法の検討も次年度の課題としたい.
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