1997 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞による不飽和脂肪酸の選択的取り込みと食品成分の影響
Project/Area Number |
09780012
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
升井 洋至 山口県立大学, 家政学部, 助手 (30229364)
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Keywords | 動物細胞 / 脂肪細胞 / 不飽和脂肪酸 |
Research Abstract |
脱脂血清培地中で生育可能な腹肪細胞分化能を有する細胞について、本年度はその分離を主目的に研究を行った。使用細胞は3T3L1、CHO1/2(B2Cl)の2種類を用いた結果、それぞれの細胞で脱脂血清中での良好な生育細胞は完全に単離までは至っていないが、この点は生育因子の血清の脱脂過程における減少によるものと考えられる。今後は成長因子の補給により、次年度の研究過程で十分なクローン化が出来る目途が得られた。また、生育の速度が遅いながらも脱脂血清培地でも生育可能な細胞は得られており、これにより食品成分の共存下における脂肪酸の取り込みについて、エイコサペンタエン酸デキサオクタペンタエン酸等の共存下における脂溶性成分のアスタキサンチン等の影響を調べた結果、脂肪細胞への誘導割合が増え、細胞リン脂質への長鎖脂肪酸の選択的取り込みの傾向を示す知見を得た。また、キノコなどの健康食品由来の成分を共存させた実験では脂肪細胞分化を抑制する知見が得られた。これらの新たな知見についてはともに分化誘導処理(インスリン等を含む誘導培地中での培養)、時に共存させた結果であり、培地への食品成分(分化抑制物質)を除去した後の新たに分化誘発を行うなどの細胞の挙動については未だ研究に至っておらず次年度以降は、脂肪酸取り込みについて、研究計画中である.本年度の研究実績として脱脂血清培地中での細胞の分離培養の問題は、ほぼ解決でき、平行して、各種食品成分共存下での脂肪細胞分化の抑制・促進について上記知見を得て、食品成分を培地に添加する時期と細胞培養時期(分化誘導等)との関係などの検討を現在、進めている。
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