1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09780014
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
佐藤 之紀 共立女子大学, 家政学部, 助手 (50226015)
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Keywords | プロトン / 脂質 / 緩和時間 / 凍結乾燥 / 肉 / 水 / 水分 / プロトンの緩和 |
Research Abstract |
1.牛脂の温度変化とスピン-スピン緩和;保存温度(10〜50℃)が高くなるにつれて、牛脂のプロトンのスピン-スピン緩和の回帰直線(遅延時間0〜460msとその時間でのシグナル強度の対数)の相関係数は高くなった。このことは、牛脂のプロトンの緩和は高温側で多相から単相に変化することを示唆する。また、30℃で保存した場合のFast成分(遅延時間0〜100ms)の緩和時間T_2値(64ms)は10℃(36ms)や20℃(53ms)でのそれらに比べてやや長かったが、その温度よりも高い40℃や50℃で保存してもその値はほとんど変わらなかった(60〜80ms)。一方、Slow成分の緩和時間は、20℃以下の場合にはその成分の存在量が少ないため算出できなかったが、30℃以上の保存温度ではほぼ一定値(200〜400ms)を示した。緩和成分の比率も保存温度により影響を受け、高温側でFast成分のプロトンの比率は滅り、Slow成分の比率は増えた。 2.脱脂した獣鳥鯨肉類の凍結乾燥物に水を添加した系のプロトンの緩和 脱脂した獣鳥鯨肉類の乾燥物粉末に蒸留水を加え、系全体のプロトンの緩和を追跡した。まず、簡易水和能力測定法に準じた量の水を獣鳥鯨肉類の乾燥物に添加した場合には、系内のプロトンのほとんどがSlow成分として認められた。この場合、乾燥した獣鳥鯨肉類をそのまま用いる場合と脱脂して用いる場合とで、プロトンの緩和曲線はほとんど変わらなかった。また、乾燥前の水分量と同量の水を乾燥物に添加して再構成した獣鳥鯨肉類の肉の調製を試みたが、添加した水は獣鳥鯨肉類の乾燥物中に不均一に分布したため、添加する水の量を再検討する必要があった。
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