1997 Fiscal Year Annual Research Report
冷え症の成因に関する基礎的研究-若年女性および小動物における女性ホルモンと皮膚温・血流量との関係-
Project/Area Number |
09780021
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
大和 孝子 中村学園大学, 家政学部, 助手 (70271434)
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Keywords | 冷え症 / 女子大学生 / アンケート / 冷え / 動物性タンパク質 |
Research Abstract |
「冷え症」とは、特に女性に多く、身体の末梢部分である四肢や腰部に強い冷感を覚え、日常生活において非常に苦痛を感じ支障をきたしている症状をいう。一般的に冷え症の原因としては、自律神経の機能低下、貧血、着衣の薄着傾向、生活リズムの乱れ、遺伝的要因などが挙げられるが、冷え症が直ちに生命を脅かす疾患ではないためか冷え症に関する研究は、国内外を問わず大変少ないのが実情である。そこで本研究では冷え症の成因に関する基礎的なデータを収集する目的で、女子学生を対象に実態調査を行ったので報告する。 健康な女子学生528名(年齢19.8±1.1歳)を対象にして冷え症の有無、身体の冷えの状況(部位)やその原因(身体履歴、日常の生活状態、食品の嗜好性、夏期・冬期の生活状態など)と考えられる項目についてアンケートによる調査を行った。その調査により冷えの自覚が強い人(冷え症群)とそうでない人(正常群)の2群に分け、比較検討した。解析方法はStudentのnon-paired t-検定及びX^2検定を用いた。 被験者528名のうち冷え症であると答えた者は301名で全体の57%を占め、親族にも冷え症者がおり、遺伝的傾向があった。身体の冷えの部位は、足の指、足、手の指、手の順で多かった。身体履歴について冷え症群と正常群で比較してみると、体重およびBMIについては冷え症群の方が正常群より有意に低値を示し(p<0.01)、身長においては両群間で有意な差はなかったが、背が高く痩せ型の傾向であった。食品の嗜好性については、冷え症群において乳・乳製品、果実類、穀類の摂取量が多く、好んで良く食べる食品であった。また、嫌いな食品としては魚介類、獣鳥肉類、卵類であった。野菜類については両群とも摂取量が低く全体の46.4%を占め、嫌いな食品であることがわかった。
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