1997 Fiscal Year Annual Research Report
3次元の運動制御機能を持つ「咀嚼ロボット」による食品のテクスチャー評価方法の開発
Project/Area Number |
09780023
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Research Institution | Wayo Women's Junior College |
Principal Investigator |
柳沢 幸江 和洋女子短期大学, 家政科, 講師 (60191160)
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Keywords | テクスチャー / 咀嚼 / 6自由度 / ロボット / 食品物性 |
Research Abstract |
食物咀嚼時に認知されるテクスチャーの機器的解析をするために,3次元の咀嚼様運動が可能である咀嚼ロボットを応用してのテクスチャー測定機器を開発することを目的として研究を実施した。本年は,測定機器の形態,動きの様式,歪みセンサーの様式を決定することができた。 圧力センサーは,従来のテクスチャー測定機器同様,一ヶ所に取り付けるものとしたが,それぞれの歯にかかる圧力など,今後の研究の幅広い展開の可能性を持たせるため,測定機器は上下の顎と歯の形態を持つものとした。さらにそれらは6自由度の運動制御により,実際の咀嚼時の歯の動きを再現することが可能となる。しかし,圧縮による食物の破壊に不定形の歯の形をそのまま用いるかの検討は,今後の課題となった。 現在用いられているテクスチャー測定機器は1次元の定速運動であるため,義歯装着による咀嚼困難時に観察される,側方向運動(ずり運動)距離の減少に伴うテクスチャー感覚の変化を検討することができない。本機器は,動きの速度,上下・前後・左右の3方向の動きの可動範囲が制御できるため,顎運動の変化に伴うテクスチャー感覚の変化を客観的に測定することが可能になると予想される。これらのテクスチャー感覚は,現在は主観的な官能検査によってしか測定し得ないが,本機器によって客観化できれば,今後さらに需要が高まる高齢者食品の開発にも食物テクスチャーの観点から,基礎資料を提供できるものと期待される。
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