1997 Fiscal Year Annual Research Report
ポジトロン断層法を用いた身体運動時筋活動レベルの同定
Project/Area Number |
09780035
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤本 敏彦 東北大学, 医学部, 助手 (00229048)
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Keywords | ポジトロン断層法 / FDG / 身体運動 / 筋電図 |
Research Abstract |
本研究ではポジトロン断層法(Positron emission tomography : PET)および表面筋電図を用いて、ランニング時における骨格筋の18F-fluoro-deoxy-glucose (18F-FDG)の取り込みと筋活動の関係について検討した。PETの被検者は運動群7名と対照群6名であった。筋電図実験の被検者は7名であった。PET実験の運動は35分間の平地でのランニングであり、運動中の心拍数は毎分140-150拍に保たれた。運動開始後15分目に18F-FDG (1.0-2.3 mCi)を静注した。PETの測定は運動終了20分後に開始した。対照群は18F-FDG (1.0-1.5 mCi)投与20分後にPETの測定を開始した。筋電図実験では秒速2.0〜2.5mでのランニング中の筋活動(IEMG:積分値筋電図)を観察した。PET実験において運動群では足部および下腿の筋の18F-FDGの取り込みが、上腕・胸部・背部の筋に比べ3倍以上であった。対照群の18F-FDGの取り込みは、ランニング群のような特徴は認められなかった。腓腹筋内側頭と腓腹筋外側頭の18F-FDG取り込みを比較してみると、腓腹筋内側頭の方が有意に高い値を示した。またランニング中のIEMGも腓腹筋内側頭が腓腹筋外側頭に比べ有意に高い値を示した。大腿四頭筋では大腿直筋の18F-FDGの取り込みが他の三筋に比べ有意に低い値を示した。大腿直筋のIEMGは内側広筋および外側広筋に比べ有意に低い値を示した。以上の結果から骨格筋に取り込まれた18F-FDGは筋活動を反映する可能性が示唆された。
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