1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09780042
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
長谷川 悦示 群馬大学, 教育学部, 講師 (80272227)
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Keywords | 体育授業 / 目標志向性 / 授業の雰囲気 / 学習意欲 / 学習評価 / 小学校 |
Research Abstract |
本研究は,達成目標理論の視点から子どもの学習意欲を高めるために,どのような体育の授業構造(教師行動や学習環境)を構築していけばよいかを,以下の問題に焦点をあて,小学校体育授業を対象に実証的に研究しようとするものである。 1)どのような教師行動(発問,助言,評価フィードバック)が,授業の雰囲気の課題志向知覚及び子どもの課題志向性を強め,学習意欲(満足感,愛好度)を高めることができるかを検討する。 2)どのような学習環境(学習課題の与え方,学習カードの設計)が,授業の雰囲気の課題志向知覚及び子どもの課題志向性を強め,学習意欲(満足感,愛好度)を高めることができるかを検討する。 3)特に体育を苦手・不得意と知覚している子どもには何が有効であるかを探る。 平成9年度においては,国内外の関連文献を収集して研究成果等を展望すると同時に,以下の測定の方法について検討した。 a.体育の授業構造を測定する方法 教師行動:体育教師にワイヤレスマイク送信機を持たせ,受信機を取り付けたビデオカメラによって,授業中の教師行動及び発話を録画及び録音し,組織的観察法によって解析する方法を用いた。学習環境:個々の子どもの能力に応じた学習課題が設定されているか,学習評価の基準が絶対的評価かあるいは相対的評価によるのか,等を判定する基準を作成することを試みた。ここでは,授業の形成的評価として,子どもに教師からの課題提示,発問,助言,フィードバックを記述・評価させる方法を用いた。 b.子どもの学習行動及び学習意欲を測定する方法 体育授業の雰囲気尺度:国外の先行研究を参照して26項目からなる雰囲気測定質問紙を作成した。予備調査によって信頼性,妥当性を検討した。また,体育授業における目標志向性尺度,体育授業に対する満足度及び愛好度尺度は,一昨年度に作成したものを改良した。
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