1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09780069
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
関矢 寛史 広島大学, 総合科学部, 講師 (40281159)
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Keywords | 文脈干渉 / 運動学習 / 顕在 / 潜在 |
Research Abstract |
文脈干渉効果が顕在及び洗剤学習条件において発現するかについて検討するための予備実験を行った。予備実験においては,32名の被験者を顕在学習群と潜在学習群に分け、コンピュータ・ディスプレイ上を左から右にランダムな上下運動を行いながら移動するターゲットを、被験者のマウス操作によるカ-ソルで追跡する課題を学習させた。ただし、ディプレイの中央部においてはターゲットは2通りのみのパターンで移動し、それは顕在学習群のみに教示された。また、各群の被験者の半数は中央部に同一パターンが連続呈示されるブロック条件で,残りの半数は中央部に2つのパターンが交互に呈示されるシリアル条件で習得試行を行った。10分間の保持期間の後,保持テスト,アンケートへの解答,再認テストを行った。 実験の結果は,中央部の繰り返し追跡されたパターンが他のランダムなパターンに比較して,習得と保持テストにおいて少ない追跡エラーを示した。そしてこれは顕在,潜在の両群において同様であった。また,アンケートと再認テストの結果によれば,潜在群の被験者全てが中央部のパターンに意識的な気づきを示さなかった。これは特定のパターンの追跡運動が潜在的に学習されたことを示す。 一方,文脈干渉に関しては,顕在,潜在の両群においてブロック条件とシリアル条件に統計的に有意な差が認められなかった。しかし,顕在群においては,習得ではブロック条件が保持テストではシリアル条件が優れたパフォーマンスを示すという文脈干渉効果の傾向が観察された。これは文脈干渉は顕在条件では起こるが潜在条件では起こらないことの可能性を示唆し,今後の実験における検討を待つ。
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