1997 Fiscal Year Annual Research Report
運動トレーニングが正弦波状運動時の自律神経性心拍調節機構に及ぼす影響
Project/Area Number |
09780072
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
曽根 涼子 山口大学, 教育学部, 講師 (50271078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽根 文夫 産業医科大学, 産業保健学部, 講師 (80269050)
西保 岳 山口大学, 医学部, 助教授 (90237751)
丹 信介 山口大学, 教育学部, 助教授 (00179920)
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Keywords | 正弦波状運動 / 自律神経 / 心拍調節 / 呼吸性不整脈 |
Research Abstract |
日常的な身体活動時における自律神経による心拍調節メカニズムをより明らかにするために、種々な周期の正弦波状運動を負荷した時の副交感神経活動度と心拍数の関係について検討した。被検者は健康な大学生10名であった。運動強度を事前に測定された最大酸素摂取量(VO_2max)の10%〜60%の範囲内で正弦波状に変化させた。負荷の周期は2分、4分、8分、16分、および32分の5段階とし、各周期について32分間運動した。測定項目は、心電図、動脈圧波、呼吸曲線、および自覚的運動強度(RPE)であり、運動中に連続的に測定した。副交感神経活動度は、一呼吸毎に求めた心電図R-R間隔の呼吸性変動、いわゆる呼吸性不整脈から推定した。その結果、副交感神経活動度は運動強度、あるいは心拍数が高いほど低かった。しかし、運動強度の上昇時には副交感神経活動は初期に顕著に抑制され、副交感神経活動度と心拍数の関係は曲線的であったのに対し、運動強度の低下時にはその関係は直線的であった。そのため、運動強度の上昇時と低下時の副交感神経活動度を同一心拍数で比較したところ、副交感神経活動度は後者の場合の方が高いレベルにあったが、その差は正弦波状運動の周期に依存して変化し、周期の長いほど大きかった。すなわち、連続的に運動強度が変化するような場合は、自律神経による心拍調節メカニズムは運動強度の変化の方向によって異なるが、その差は運動強度の変化に要する時間が長いほど顕著になることが明らかになった。これらの結果は、運動強度の変化に対する副交感神経と交感神経の応答性が異なることを示すと考えられた。
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