1998 Fiscal Year Annual Research Report
運動トレーニングが正弦波状運動時の自律神経性心拍調節機構に及ぼす影響
Project/Area Number |
09780072
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
曽根 涼子 山口大学, 教育学部, 講師 (50271078)
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Keywords | 正弦波状運動 / 自律神経 / 心拍調節 / 呼吸性不整脈 / 運動トレーニング |
Research Abstract |
正弦波状運動の周期を色々に変えたときの自律神経活動度と心拍数の関係に運動トレーニングが及ぼす影響を明らかにすることによって、運動時における自律神経の動的応答特性が運動トレーニングによってどのように変化するのかについて検討することを目的とした。被検者は日頃持久的な運動トレーニングを行っている大学生9名(鍛錬者群)、および運動トレーニングを行っていない健康な大学生9名(非鍛錬者群)であった。運動強度を事前に測定された最大酸素摂取量(VO_2max)の10%〜60%の範囲内で正弦波状に変化させた。負荷の周期は1分、2分、4分、8分、および16分の5段階とし、各周期について32分間運動した。測定項目は、心電図、動脈圧波、および呼吸曲線であり、運動中に連続的に測定した。副交感神経活動度は、一呼吸毎に求めた心電図R-R間隔の呼吸性変動、いわゆる呼吸性不整脈から推定した。その結果、副交感神経活動度は運動強度、あるいは心拍数が高いほど低かった。しかし、運動強度の上昇時には副交感神経活動は初期に顕著に抑制され、副交感神経活動度と心拍数の関係は曲線的であったのに対し、運動強度の低下時にはその関係は直線的であった。この関係は、鍛錬度の影響を受けて変化した。すなわち、運動強度の上昇時における副交感神経活動の顕著な抑制が、鍛錬者群の方がより低心拍数で起こった。これらの結果は、連続的に運動強度が変化するような場合の自律神経による心拍調節メカニズムは、運動トレーニングの程度によって異なることを示すと考えられた。
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