1997 Fiscal Year Annual Research Report
メタ分析のスポーツ科学への適用-競技意欲研究を対象として-
Project/Area Number |
09780077
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
磯貝 浩久 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (70223055)
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Keywords | メタ分析 / メタ・アナリシス / 競技意欲 / スポーツ科学 / TSMI |
Research Abstract |
本研究は、メタ分析(Meta-Analysis)という複数の研究結果から一般的結論を導き出すための統計手法を用いて、スポーツ選手の競技意欲の一般的傾向を明らかにすることを試みている。具体的な目的は、1)日本のスポーツ科学の領域で用いられたことの無かったメタ分析について、その理論、方法、欧米での研究成果の概要を明らかにすること、2)競技意欲に関してTSMI質問紙を用いた研究を対象として、競技レベル・性・種目・パーソナリティと競技意欲の関係について明らかにすることである。 研究の1年目である平成9年度は、主としてメタ分析の手法に関する検討が中心となった。メタ分析の考案者であるGlass(1997)やCooper(1979)等の文献を手がかりに、メタ分析の理論と方法を示すとともに、メタ分析のアウトライン(1)問題の明確化、2)文献収集、3)研究の特徴を考慮したコーディング、4)Effect Sizeの算出、5)バイアスと要因の重み付けの修正、6)統計分析)について考察を加えた。また、欧米のスポーツ科学の領域でメタ分析を用いた研究のレビューを行い、どのようなことが示されているか明らかにした。 また、目的の2)に示した競技意欲研究のメタ分析に関しても検討を行った。文献収集については、学会誌・学会発表・紀要・報告書等TSMIが用いられたすべての研究を対象とするため、インターネット上の文部省学術情報センターでの検索や各研究雑誌での検索等を行った。そして、アウトラインに沿って分析を進め、競技意欲と競技レベル、競技意欲の性差についてある程度明らかにすることができた。 次年度の平成10年は目的2)が中心となり、最終的にはスポーツ選手の競技意欲の一般的特徴をメタ分析により示したい。
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