1998 Fiscal Year Annual Research Report
身体運動(「遊び」)が幼児の相互交流の形成に及ぼす影響
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09780095
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Research Institution | Kanazawa Seiryo University |
Principal Investigator |
池田 幸應 金沢経済大学, 経済学部, 助教授 (90168146)
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Keywords | 幼児 / 身体運動 / 相互交流 |
Research Abstract |
身体運動(「遊び」)が幼児の相互交流の形成に及ぼす影響を明らかにするため、平成9年度に引き続き、石川県金沢市内の13保育園に通う2〜5歳児、計723名を対象に、平成10年6月〜11月にわたり測定・調査を行った。現場で行われている身体運動を4種類(A:身体を使ってみんなで行う身体運動、B:身体を使って個人で行う身体運動、C:身体をあまり使わずにみんなで行う身体運動、D:身体をあまり使わずに個人で行う身体運動)に分け、それらの遊び15分間における園児の歩数、運動量(Kenx製カロリーカウンターSelect2を使用)及び相互交流の度合い(担任保母の観察法によるソシオグラムを用いた)について測定・検討した。 2〜5歳児全体の各身体運動ごとの歩数(歩/15分)はA:887.37,B:761.38,C:197.80,D:88.63、運動量(hcal/15分)はA:10.38,B:8.21,C:112,D:0.39と身体を使ってみんなで行う身体運動が他に比べ最も多かった。相互交流(点)についてもA:10.83,B;9.82,C:9.97,D:8.39と、身体を使ってみんなで行う身体運動がもつとも高かった。また、園児の日常の生活環境についてアンケート調査(1α4園児対象)の結果、保護者の99%以上が身体を使って友達と一緒に遊ぶことが重要だと考えているにもかかわらず、70%以上がそれらの機会が少ないと回答している。降園後の遊びについても園児の91%が主として室内で遊んでおり、屋外での遊び時間も76%が1時間以内であるという結果であった。 以上の結果から、身体を使ってみんなで行う身体運動(「遊び」)は、幼児の運動量増加及び相互交流促進するために有効であり、これらを家庭、園及び社会での保育の場において、より多く取り入れることが幼児にとって重要であると考えられる。
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Research Products
(1 results)