1997 Fiscal Year Annual Research Report
障害者のスポーツ参加を阻む社会的・心理的要因に関する研究
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09780097
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
藤田 紀昭 日本福祉大学, 社会福祉学部, 助教授 (40199344)
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Keywords | 障害者 / スポーツ / 参加規定要因 / 心理的要因 / 社会的要因 |
Research Abstract |
本研究の目的は身体障害者(本研究の場合、視覚障害者および、脳性麻痺によらない、車いす利用の肢体不自由者)のスポーツ参加を阻んでいる社会的、心理的要因を明確にすることである。このうち、平成9年度は視覚障害者を対象として、スポーツ参加を規定する要因を明らかにするための面接調査を行った。対象となったのは現在、定期的にスポーツを行っている視覚障害者31名(フロア-バレーボールおよび陸上競技・ジョギング参加者)、および、現在スポーツを行っていない視覚障害者31名である。 調査の結果、スポーツを行っていない視覚障害者の場合、スポーツを行う場所までのアクセシビリティの悪さ、スポーツを行うことに対する不安感(指導者、仲間、健康)、障害者スポーツセンターでしかスポーツを行えないという思い込み、障害者スポーツセンターへ行くまでの時間の長さ等がスポーツ参加を阻害している要因として明らかになった。スポーツを定期的に行っている視覚障害者の場合、伴走者やガイドヘルパーなどを行ってくれるボランティア等の不足、車等が運転できないことに起因する、スポーツを行う場までのアクセシビリティの悪さ、経済的要因等がスポーツを継続する上での阻害要因となっていることが明らかになった。 両者を比較した場合、スポーツを行っている人の場合、時間的な要因をさほど大きな阻害要因とは感じていないことから、視覚障害者をスポーツに向かわせようとするときは特に、スポーツに関するきめこまかい情報、情報提供の方法、そして、その人をスポーツの場まで導く人(物理的にも心理的にも)の存在の重要性が明らかになった。 平成10年度は車いす利用者を中心に同様の面接調査を行う予定である。
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