1997 Fiscal Year Annual Research Report
競泳におけるフィールドテストの運動強度の検討とトレーニングへの利用
Project/Area Number |
09780107
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Research Institution | Beppu Mizobe Gakuen College |
Principal Investigator |
松波 勝 別府女子短期大学, 家政学部, 講師 (80258566)
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Keywords | 競泳 / フィールドテスト / 乳酸テスト / 血中乳酸濃度 / OBLA-SP / トレーニング |
Research Abstract |
本研究の目的は、競泳において非観血的な方法として利用されている各種フィールドテストの泳速度と運動強度を調べ、各テスト間の比較及び観血的テストとの比較を行うことであった。 11名の男子大学競泳選手が本研究に参加した。フィールドテストとして600m泳(T-600)、10分間泳(T-10)、1500m泳(T-1500)、2000m泳(T-2000)、30分間泳(T-30)そしてクリティカルスピードテスト(T-CS)の6つを用いた。そして、8×200m(3,2,2,1×200m)の自由形泳からなる乳酸テストが観血的テストとして実施された。血液サンプルは、運動強度の指標となる血中乳酸濃度の分析のため、各テストの運動前及び運動終了1、3、5、7分後に指先より採取した。 6つのフィールドテストのうち最も高い泳速度と血中乳酸値を示したのは、T-600の1.487±0.048m/sと12.04±2.368mmol/1であった。最も低い値は、泳速度がT-2000の1.394±0.053m/s、血中乳酸濃度がT-30の5.66±1.22mmol/1であった。これらの値は、泳距離の減少に従い増加していった。血中乳酸値4mmol/1での泳速度(OBLA-SP)は、1.451±0.067m/sであった。全てのテストの泳速度を比較するとT-30、T-2000は、OBLA-SP、T-600、T-10、T-CSより有意に低い値を示した(p<0.05)。 T-30、T-2000において血中乳酸濃度が4mmol/1以上にもかかわらず、OBLA-SPより泳速度が低いという結果は、連続泳とインターバル泳というテストスタイルの違いにあると思われる。したがって、長時間泳ぐテスト泳から計算された泳速度は、持久的能力改善の評価には利用できるが、インターバルトレーニングにおける運動強度としては低くなると考えられる。
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