1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09780123
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
外川 健一 九州大学, 石炭研究資料センター, 助教授 (90264118)
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Keywords | リサイクル / 自動車産業 / 家電産業 / 古紙 / 環境対策 / シュレッダ-・ダスト |
Research Abstract |
研究代表者の予期せぬ入院加療のため、当初の計画よりおくれ、実質の研究は8月より開始した。8月は政府資料(通商産業省、農林水産省、厚生省、環境庁)福岡県内の地方自治体資料(福岡県、福岡市、北九州市等)の収集を行った。本研究費で購入したパーソナル・コンピュータをインターネットに接続し、各種情報を適宜収集し研究に活用できたことも研究の遂行に非常に役立った。 9月から12月にかけては主として家電・OA機器のリサイクルを主眼に検討した。とくに今春に国会で審議される予定の「家電リサイクル法」(案)に関してその理論と実現性を検討した。というのも、家電製品のリサイクルは東京・大阪といった大都市圏と福岡・北九州といった地方都市圏、さらには離島を含む九州の周辺地域とでは全く異なるシステムであるということが徐々に判明した(ビジネスとしての家電リサイクルの有無、地方自治体の関与の実態、廃家電処理のハード面ソフト面の違い)からである。来期は更なる細かい検討を加えながら、その地域の実状にあったリサイクルシステムを提起していきたい。 また11月から2月にかけて古紙のリサイクルシステムに関して、福岡市をフィールドに研究を行っている。ここでは同市を中心にして行われている余剰古紙の輸出に関してデータを収集し、問題点を検討中である。 12月から2月にかけては自動車リサイクルの現状を地域別に比較・検討した。また、韓国の自動車リサイクルシステムも調査・研究を行った。韓国に関しては、政府の自動車メーカー保護政策から中古部品の流通が立ち後れていること、廃車処理業は政府の許可が必要であるが、その環境対策は必ずしも万全ではないこと、廃車処理業は主として鉄スクラップの回収により利益を得ているが、シュレッダ-処理を行うケースが少なく、自動車由来の鉄スクラップが電炉に利用されるときのダイオキシン対策も今後の課題であることが指摘できた。
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