1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09780132
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Research Institution | Kyoto Bunka College |
Principal Investigator |
佐々木 高弘 京都文化短期大学, 文化学科, 講師 (20205850)
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Keywords | 蛇聟入・苧環型 / 昔話と伝説 / 場所認識 / 心の中の景観 / 文化地理 |
Research Abstract |
1、蛇聟入・苧環型の昔話および伝説の資料収集:『日本伝説大系』『日本昔話大成』に基づいて、本昔話・伝説をともに伝承している、鳥取県・宮城県・静岡県・沖縄県・高知県・愛媛県の各県立図書館および市町村立図書館において、市町村誌をはじめ地方発行の民話関係の出版物を中心に、本昔話および伝説の資料調査を行った。また購入可能な文献および関係地図については、市町村役場、教育委員会および地方出版社において出来るだけ購入した。さらに訪問の出来なかった県(福井・岐阜・奈良・大分・福岡・宮崎)、また昔話だけを伝承している地域に関しては、古本屋を通じて文献を購入した。結果、上記の伝説大系および昔話大成において簡略化されて上げられている事例を全文確認し、さらにそれらを上回る数の文献を得ることが出来た。 2、伝説の現地調査:本伝説で語られる場所を具体的に地図上において確認するため、現地における資料調査および聞き取り調査を行った。現地調査を行い伝承される場所の確認が出来たのは、鳥取県河原町・智頭町・日南町・用瀬町、宮城県気仙沼市、静岡県大東町・小笠町・春日町・水窪町、沖縄県平良市・宜野湾市・読谷村・西原村・名護市・仲尾次村、高知県池川町・香北町・佐川町・中村市・室戸市・三原市、愛媛県川内町・西条市・広田村・河辺村・城川町・重信町である。 3、昔話のテキスト分析を中心とした主人公の行動と語られる風景の関係図の作成:現段階において得られた結果からは、昔話の蛇の棲み家とされる場所が心理的領域においては意識と無意識の境界に位置するのに対して、伝説の場所が現実世界における人間と自然の境界に位置しているという関連性が見い出せた。
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