1998 Fiscal Year Annual Research Report
マルチメディア学習における背景画運動の影響と効果に関する研究
Project/Area Number |
09780150
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中山 実 東京工業大学, 教育工学開発センター, 助教授 (40221460)
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Keywords | 文章理解 / 音読速度 / 動画面 / 文字スーパ / 視点移動 / ランダムドットキネマトグラム / 運動視 / 読み過程 |
Research Abstract |
本研究では、文章を理解する過程における背景画運動の影響を調べると共に、どのような条件で学習効果が挙げられるのかを検討した。通常の動画像では、画像の動く速度や画像内容などの違いが大きく、十分な検討ができない。そこで、本研究では仮現運動であるランダム・ドット・キネマトグラムを利用して、画像の空間周波数や輝度などを制御し、検討を行った。 (1) 背景画像の運動速度と運動方向が読み速度に与える影響:横書きと縦書き文章を音読する課題において、背景画像を縦または横に4段階の速度で振動させた。その結果、文章の記述方向に関わらず、横方向では23deg/秒の速度で音読速度が有意に低下した。また、縦方向の運動では、運動速度に応じて音読速度が連続的に低下した。音読速度の低下が、横書き縦書きで変わらないことから、視覚的な特性による変化であると考察した。 (2) 音読時の視点移動の検討:音読速度による結果をさらに検討するために、音読時の視点移動を検討した。その結果、横書き縦書きに関わらず、縦方向の視点移動が全体の約7割を占め、縦方向の眼球運動が多いことを示した。また、背景画面の運動速度による眼球の移動距離への影響を検討した。縦方向の移動距離は、背景画面の横運動と縦運動との間で有意に差があった。また、一部の結果には運動速度による影響も見られた。一方、横方向の移動距離は、背景画の運動速度や運動速度による変化が小さいことを示した。これらの結果について、眼球追従反応において視野画面の運動方向に対する、眼球の選択性があることとの対応について考察を行った。 これらの結果を基に、画面提示における文字スーパなどの文章提示を行う場合の、留意点を検討し、研究をまとめた。
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[Publications] 中山 実・清水康敬: "背景の動きがテキストの音読速度と視点移動に与える影響" 電子情報通信学会技術報告. ET98-78. 43-50 (1998)
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[Publications] 中山 実・清水康敬: "背景の動きがテキスト音読時の視点移動に与える影響" 日本教育工学会第14回大会講演論文集. 2pA02-6. 557-558 (1998)
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[Publications] 中山 実・野村和典・清水康敬: "電磁環境問題に対応するインターネット学習システムの思索と評価に対する一考案" 日本教育工学会論文誌. 22. 41-44 (1998)
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[Publications] 高橋功次・中山 実・清水康敬: "ドライブシミュレータ操作の視点移動と瞳孔面積による評価" 電子情報通信学会技術報告. ET98-79. 51-58 (1998)
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[Publications] 高橋功次・中山 実・清水康敬: "動画提示における視点移動の評価の検討" 日本教育工学会第14回大会講演論文集. 2pA02-8. 563-564 (1998)
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[Publications] 高橋功次・中山 実・清水康敬: "ドライブシミュレータ操作時における運転者の視点移動に関する検討" 電子情報通信学会総合大会. D-15-2. 238-238 (1998)
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[Publications] 吉田直人・中山 実・清水康敬: "文章の長さが理解度に及ぼす影響に関する検討" 日本教育工学会第14回大会講演論文集. 2p02-6. 559-560 (1998)