1997 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータネットワークを利用した適応型テストシステム
Project/Area Number |
09780170
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 知康 九州大学, 文学部, 助教授 (30251614)
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Keywords | テスト理論 / 項目反応理論 / コンピュータテスト / 適応型テスト / コンピューネットワーク |
Research Abstract |
適応型テストに関する基礎的な研究として以下の研究を行った。 ・被験者の能力変動を考慮した適応型テスト 被験者の能力変動を考慮して能力の推定を行うモデルとして一般項目反応モデルがある。本研究ではモデルに基づいた適応型テストの新しいパラメタ推定法を提案した。最適項目の選択方法として,被験者の能力パラメタの期待事後標準偏差と能力変動パラメタの期待事後標準偏差の合計がもっと小さくなる項目を選択する方法をとった。この事により,テストを構成する全ての項目を利用せずとも,精度の高い能力推定が行えるだけでなく,被験者の能力変動情報についても精度の高い推定を逐次的に行うことができる。この研究の成果は日本心理学会第62回大会で発表される予定である。 ・双列相関のベイズ推定 テストの各項目とテスト得点との相関係数を計算する際に利用される双列相関係数の新しい推定法を提案した。従来の推定法では,±1を超えることがあったが,事前分布を利用したベイズ推定を行うことにより,上記の問題を解決し,さらに従来の方法と比べより精度の高い推定を行うことができる。この研究の成果は日本心理学会第61回大会で発表された。 ・マルチメディアテストの開発 NTT情報通信研究所が開発したビデオハイパーメディアを利用してマルチメディア・リスニングテストを開発した。このテストには,被験者の能力に適した項目を提示する適応型テスト機構が組み込まれている。開発後,ATM実験網を利用した遠隔テスト実験を行い,適応型テストの有効性を確認した。この研究の成果は,情報処理学会「マルチメディア,分散,協調とモ-バイル」ワークショップで発表された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 島宗 理 他: "個別化教授法の考え方を活かしたパソコン通信による遠隔教育の実践と評価" 放送教育開発センター研究紀要. 15. 29-40 (1997)
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[Publications] 中村 知靖: "双列相関係数のベイズ推定" 日本心理学会第61回大会発表論文集. 390-390 (1997)
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[Publications] 中村 知靖 他: "大学授業改善を目的とした授業・学習評価支援システムの開発" 教育工学関連学協会連合第5回全国大会講演論文集. 299-300 (1997)
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[Publications] 大塚 雄作 他: "遠隔高等教育における授業・教材評価尺度の標準化の試み" 日本教育心理学会第39回総会発表論文集. 359-359 (1997)
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[Publications] 山本 俊司 他: "ビデオハイパーメディアの教育分野への応用" 情報処理学会「マルチメディア,分散,協調とモバイル」ワークショップ論文集. DiCoMo. 347-352 (1997)