1998 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータネットワークを利用した適応型テストシステム
Project/Area Number |
09780170
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 知靖 九州大学, 大学院人間環境学研究科, 助教授 (30251614)
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Keywords | 項目反応理論 / 適応型テスト / コンピュータテスト / テスト理論 / コンピュータネットワーク |
Research Abstract |
本年度は,適応型テストで利用される項目反応モデルに関する理論研究と適応型テストシステムの開発を中心に行った。 ●中村・前川・菊池(1998)では,項目反応モデルの下でテスト得点分布を設足し,その分布に最適な項目を選択する方法を提案した。能力測定場面では,依然としてテスト得点が用いられていることが多く,現実には項目反応モデルを利用しているにもかかわらずテスト得点を考慮しなければならないことがある。本研究は,そのような場面での利用を想定して提案された方法である。今後,計算方法の改善や2パラメタモデルへの拡張を検討している。 ●中村(1999)では,教育心理学の測定・評価領域に関するレビューを行った。特に,テストに関する研究で利用される統計的手法に焦点をあて,手法の利用面から応用研究を紹介するとともに,統計的手法の方法論的研究も合わせて紹介し,議論を進めた。中心的に取り上げた手法は,近年,応用研究が進みつつある項目反応理論と共分散構造分析である。さらに,本研究では急速に発展してきたコンピュータと測定領域との関連についても,最新情報を交えて紹介した。 ●一般項目反応モデルに基づいた適応型テストを開発した。適応型テストにおける項目選択法として,被験者の能力パラメタと変動パラメタの事後標準偏差を同時に最小とする方法を用いた。開発されたテストシステムは,Delphi4.0のWebBrokerを利用したWebサーバ・アプリケーションであり,テスト受験者はネットワークを利用してテストシステムを利用することが可能である。今後,このシステムに受験者照合装置を加え,セキュリティ問題を解決した次世代型テストシステムを開発する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 中村知靖: "測定・評価に関する研究の動向" 教育心理学年報1998年度. 38(印刷中). (1999)
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[Publications] 中村知靖・前川眞一・菊池賢一: "テスト得点分布を考慮した項目選択法" 日本心理学会第62回発表論文集. 419-419 (1998)
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[Publications] 三尾忠男・大塚雄作・伊藤秀子・山地弘起・波多野和彦・j.パクニック・中村知靖: "高等教育における授業改善を支援する研修シリーズ;「大学授業の自己改善法」" 日本教育工学会第14回大会講演論文集. 613-614 (1998)