1998 Fiscal Year Annual Research Report
学校数学における中学1年生による証明構成の可能性に関する研究
Project/Area Number |
09780183
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
宮崎 樹夫 信州大学, 教育学部, 助教授 (10261760)
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Keywords | 証明 / 中学1年 / 学校数学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、次の課題A及びBに答えることであった。 課題A:中学1年生は、証明の素地として何を持ち、証明をどの程度構成できるのか。 課題B:中学1年生が証明を構成できるために、どのような教材と指導が必要になるか。 課題Aに対する答えは、次のとおりである。教授実験の被験者である公立中学1年生3名(数学の成績上位・中位・下位群から各1名選出)は、証明の素地として、主に帰納的な推論と日常的な言語を有していた。また、証明の4レベル(証明の内容・表現・心理を軸として考案)で生徒の活動を評価した結果、上位群選出の生徒は、第2レベルの証明を構成でき、中位・下位群選出の生徒は第1レベルの証明に留まっていた。(なお、第4レベルが中学校数学で意図されている証明(「論証」)に該当する。) 課題Bに対する答えは、次のとおりである。教授実験において被験者である3名の生徒に対して次の場面を設定した。活動1:代数の命題を数値計算で確かめる。活動2:同じ命題を主に具体物の操作によって証明する。活動3:同じ命題を主に日常的な言語によって証明する。活動4:同じ命題を論証の言語に翻訳する。特に、活動環境を次のように整備した。活動2及び3では、ホワイトボード上に多数のマグネットを配置し、生徒の見方や考え方をマジックで書きこめるようにした。また、活動4では、具体物の操作過程を図示し、代数の論証言語への翻訳活動を補助した。なお、各活動に対して、観察者が行う教授活動を予め設定し、その有効性を確かめた。その結果、数学の成績上位・中位・下位群選出の3名すべてが、第4レベルの証明を構成することができた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 宮崎樹夫: "学校数学の証明指導における,ことがらの真理観に関する研究:我が国の中学校数学の証明指導によって育成され得るものに焦点をあてて" 筑波数学教育研究. 16. 49-58 (1997)
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[Publications] Mikio Miyazaki: "The status of proof in the geometry curriculum of lower secondary school of Japan. Focusing on the meaning and arguments of proof in textbooks for 8th graders" Proceeding of the first ICMI-EARCOME. 2. 135-152 (1998)