1997 Fiscal Year Annual Research Report
日本語およびドイツ語の会話ストラテジーのデータベース化に関する研究
Project/Area Number |
09780203
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
林 明子 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (60242228)
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Keywords | 会話ストラテジー / 会話分析 / 日独対照 / インタラクション / 会話展開 / 発語内行為 / 構造 / 機能 |
Research Abstract |
平成9年度は日本語およびドイツ語の会話ストラテジーのデータベース化に向けた定量的研究のため、次の方法で情報の収集・資料分析にあたった。 1)日本語母語話者によるロールプレイおよび自然会話の録音収集。 2)ドイツ語母語話者によるロールプレイおよび自然会話の録音収集。 ロールプレイでは会話参加者の意識的な言語行動を観察することを目的とした。続いてインタビューの形を取ることによって、被調査者にあたる会話参加者を発話の内容に集中させ、自らの言語行動への内省から注意をそらし自然会話に近いデータを入手することに成功した。 1)についてはカード型データベースソフトを用いて観察されたストラテジーとそれに付随する情報を分析・整理した。2)についても、同様の作業を進行中である。 会話は会話参加者のインタラクション(相互交渉)によって成立するため、複数の会話参加者による連続する発語内行為を会話全体を構成する要素としてとらえ、分析を行った。会話内で1つの連続を形成する「謝罪」「断り」「依頼」「理由の申し立て」について、その実現のために使われるストラテジーを観察したところ、日本語では「依頼」の重要性の強調によって、ドイツ語では「理由の申し立て」の繰り返しによって発話者の意図の実現が図られている。その他現在得られている結果としては、「謝罪」という発語内行為が現れる会話展開上の位置、また表現方法の違いに特徴が見られることがあげられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] AKIKO HAYASHI: "BITTEN and ABSAGEN im Gesprach-Reaktion der Japaner auf die deutschen Strategien-" 東京学芸大学紀要 第二部門 人文科学. 48. 109-122 (1997)
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[Publications] AKIKO HAYASHI: "Strategien for das Absugen im Japanischen-Eme sequenzielle Betrachtung der Sprechhandlungen ABSAGEN, BITTEN and ABLEHNEN im Kontrast zum Deutschen-" Aufsatze des 10.deutschsprachigen Japanologentag in Munchen. (印刷中).