1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09780220
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
土屋 隆裕 統計数理研究所, 調査実験解析研究系, 助手 (00270413)
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Keywords | 数量化III類 / 順序構造 / ダミ-変数行列 |
Research Abstract |
数量化III類による質的データの分析結果は、必ずしもデータ構造を適切に明らかにせず、場合によっては誤った解釈を導く可能性がある。本研究では、どのようなデータにおいて、不適当な結果が生じるかを明らかにするため、まず以下の方法により順序構造を持たないダミ-変数行列を作成した。一様乱数を用いて2次元平面上に、カテゴリと見なす10個の点をプロットし、これを再現すべきデータ構造とする。あるカテゴリ点に注目し、当該点から一定距離内にあるカテゴリに対しては1、そうでないカテゴリに対しては0を与える行ベクトルを考え、これによりダミ-変数行列を構成する。ただし、当該点からの距離を複数通り考え、距離が短いほど行ベクトルを多く重ねることとした。この作業を10個のカテゴリ点各々について行い、結果として一つのダミ-変数行列を作成した。次にこのダミ-変数行列に対して数量化III類を行い、得られたカテゴリの布置が元のデータ構造を再現しているか否かを何通りかのダミ-変数行列を用いて検証した。その結果、以下の傾向が見られた。第一に、他のカテゴリ点から離れており周辺度数の少ないカテゴリの位置は、非常に不安定であり、元の位置と対応がつかないことが多い。第二に、多くの場合第2固有値までが大きく、固有値により軸の数を判断するならば第2軸までを採用することになるが、1軸と2軸ではガットマン効果により布置が放物線となりがちである。第三に、どの軸の組み合わせを用いても元のデータ構造を再現できないことも多い。ただし多次元空間上で、ある任意の2次元平面に解を射影すると、元の構造が再現されている可能性もあり、この点については今後調べる必要がある。
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