1997 Fiscal Year Annual Research Report
日本人の人間関係観と満足感の動向に関する計量的研究
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09780221
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
前田 忠彦 統計数理研究所, 調査実験解析研究系, 助手 (10247257)
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Keywords | 共分散構造分析 / 双方向因果モデル / 満足感 / 社会調査 / 階層帰属意識 |
Research Abstract |
本研究は多変量データ解析に関する方法論的研究の成果を踏まえた調査データの解析を通じて、満足感と人間関係観に関する日本人の近年の意識動向を把握することを目的として行われた。 本研究の第一の柱となる多変量データ解析に関する方法論的研究として、本年度は共分散構造モデルに関する研究を中心に行い、構造方程式モデルを用いた双方向因果モデルの分析における道具的変数の選択の適切性に関する研究を行った。その結果、道具的変数の選択が適切でない場合に、主要な関心である双方向因果のパスに関するパラメータ推定値が致命的な影響を受け、適切な結果の解釈を導けない場合があることが確認された。 第二の主要な柱である「人間関係観と満足感に関する意識動向を把握するための調査」研究のために、平成9年10〜11月にかけて東京都目黒区の住民を対象とした予備調査(留め置き法、計画サンプル数300)を行い、その分析結果に基づいて平成10年2月に全国調査(訪問面接法、計画サンプル数2000)を行った。主要なテーマとなる人間関係観や満足感に関する質問の他に、階層帰属意識に関する質問等も含めて質問項目の設計を行った。平成10年3月現在で、本年度の目標である基礎集計が終了した。調査項目の設計の際に参考にした日本人の国民性調査第9次全国調査(1993年)との比較では、社会に対する満足感が低めであるが、家庭や生活全体に対する満足感は引き続き高い水準にあること、などが確認された。本調査データについて、前記の共分散構造モデルに関する研究成果を生かし、平成10年度には双方向因果モデルの分析を通じて、満足感の規定因等に関するより詳細な分析を行う予定である。
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