1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09780267
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
武永 康彦 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (20236491)
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Keywords | 論理関数 / 二分決定木 / 素項 / 二分決定グラフ / しきい値関数 / 双対化 / tree-shellable関数 |
Research Abstract |
本研究では、二分決定木や分岐プログラムなど理論上実際上重要な、グラフによる論理関数の表現法について、研究を行なってきた。本年度は特に、論理関数双対化等への応用に関する研究でその基礎となる成果が得られた。研究成果の詳細は以下の通りである。 1.分岐プログラムの性質と表現能力に関する研究 従来から進めていた、しきい値関数を表現する分岐プログラムについての研究を進展させ、複数のしきい値関数を表現する共有二分決定グラフについて、その最適変数順序づけがNP完全であることを証明した。 2.論理関数双対化等への応用 論理関数が二分木で表された場合双対化が容易に行なえることから、論理関数を二分木表現の1つの経路が1つの素項に対応するような正論理関数(tree-shellable関数)のクラスを提案し、研究を行なった。決定木の変数順序を固定した場合、固定しない場合のそれぞれについて、まずその基本的性質を示した。これを用いて、従来知られている類似した性質を持つ関数のクラスとの包含関係を明らかにした。その結果、どちらも同等の特長を持つaligned関数のクラスを真に包含し、前者はlexico-exchangeと呼ばれる性質を持つことと等価であることなどが示された。また、tree-shellable関数の特長を活かすには、これらのクラスに属するかどうかの判定が必要となるが、その積和形表現の各積項のリテラル数を2個以下に制限した場合、多項式時間で判定可能であることを示した。さらに、一般の場合に対しての判定アルゴリズムを実装し、5変数までの関数に対して、これらの性質を持つ関数の個数を具体的に求めた。
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