1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09780289
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
角川 裕次 広島大学, 総合科学部, 講師 (80253110)
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Keywords | 分散アルゴリズム / 分散システム / 分散計算 / 自己安定 / 耐故障性 / ネットワーク |
Research Abstract |
本研究では、高信頼性ネットワークソフトウエアの開発を目指したものである。特にハードウエア障害が生じた後、人間の手を介することなく自動的に回復するネットワークソフトウエアの開発を目指している。故障が生じてシステムが異常な状況になっても、自動的な回復をするシステムは自己安定システムと呼ばれ、近年活発に研究がなされている。本研究の成果として、高水準な分散アルゴリズム記述モデルにおいて、自己安定分散アルゴリズムを開発する枠組を提案し、その有効性を示したことである。 本研究で採用した分散アルゴリズム記述モデルは、通信には状態通信モデル、実行には逐次実行モデルを採用している。状態通新モデルとは、通信は隣接する計算機の内部状態を時間遅れなく、直接に読み出せるモデルである。逐次実行モデルとは、複数あるいは計算機のうち、いずれか一つだけが選ばれて1ステップ実行できるものである。このモデルは明らかに分散システムとはかけはなれているが、アルゴリズムを記述する立場、つまりプログラマから見れば、分散システムの持つプログラミングを困難としている、並行性や非周期性を隠していることになる。 このようなモデルの上で、これまでに提案されているいくつかの分散アルゴリズム、Lamportの分散相互排除アルゴリズム、RicartとAgrawalaの分散相互排除アルゴリズム、Maekawaの分散相互排除アルゴリズム、ChangとRobertの分散リーダー選出アルゴリズム、を記述した。これらのアルゴリズムは耐故障性がないが、高水準モデルを採用することで、容易に自己安定性を組み込むことを示した。またシミュレーションにより、妥当な性能が得られることも示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Kakugawa, M.Nesterenko and M.Mizuno: "Development of self-stabilizing distributed algorithms using transformation : case studies" 3rd workshop on self-stabilization. 16-30 (1997)
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[Publications] N.Umemoto, H.Kakugawa and M.Yamashita: "A self-stabilizing ring orientation algorihm with a smaller number of processor states" IEEE Transactions on Parallel&Distributed Systems. (発表予定).