1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09780290
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中山 慎一 徳島大学, 総合科学部, 助手 (50284279)
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Keywords | 経路問題 / 配線問題 / アルゴリズム |
Research Abstract |
VLSI設計において各端末間を効率良く配線するのは重要なことであり,数々の逐次アルゴリズムの研究が行なわれてきた.しかし,配線問題は経路問題の一種であり,計算時間が膨大な問題が多く存在する.近年,計算機科学,および,その応用のあらゆる分野で並列計算機は急速に利用されつつある.解こうとする問題をより小さい部分問題に分割し,各部分問題は同時に異なるプロセッサで解くことにより,問題を解く時間を格段に短くすることができる.ところが,並列計算機を活用するには,従来の逐次型のアルゴリズムとは異なる発想に基づく並列アルゴリズムを開発する必要がある. 本研究では,以下の多端末配線問題を解く並列アルゴリズムの開発を行なった.上部チャネル,下部チャネルと呼ばれる2つの平行な線が存在し,また,上部,下部チャネルには番号付けされた端末が存在する.ただし,上部(下部)チャネルにおいて同一番号の端末を許す.配線の条件として,同一番号の端末は同一層で配線を行ない,かつ,同一層内において線を重ねることは出来ない.このようなモデルにおいて,同一番号の上部チャネルの端末と下部チャネルの端末を最小層数で配線するという問題である. この配線問題はグラフ理論を用いた定式化が可能であり,台形グラフの点彩色問題を解くことにより配線間題の解を得ることが可能である.この事実を用い,本研究では台形グラフの点彩色問題をCREW PRAM上でO(n^3/logn)個のプロセッサを用いてO(log^2n)時間で解く並列アルゴリズムを開発し,多端末配線問題が効率良く並列に解けることを示した.
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Research Products
(1 results)