1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09780296
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡部 善隆 九州大学, 大型計算機センター, 助教授 (90243972)
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Keywords | Navier-Stokes方程式 / 精度保証付き数値計算 / 有限要素法 / Stokes方程式 / 区間演算 |
Research Abstract |
1.Navier-Stokes方程式の離散近似解を数値的に求めるアルゴリズムを開発し,プログラム開発を行なった.離散化手法は有限要素法とNewton-likeな手法とを組み合わせ,あわせて乱流,分岐に対応した数値的安定性の議論,および特異性を持つ領域に対する要素再分割手法,並列計算機に適した手法とされる領域分割法などについても理論面,数値シミュレーションの両面から考察した. 2.Navier-Stokes方程式の線形化問題であるStokes方程式の有限要素近似解に対する厳密な誤差評価を行なった.数値計算のため,区間演算に関する精度保証付きシステムをFortran,C++のモジュール機能,ビット操作機能を基礎として開発し,ライブラリ化した.ライブラリは,基本的線形計算である行列の積,連立1次方程式の解法,一般化固有値問題を含み,それらすべてについて,丸め誤差を考慮した厳密な数値的評価が可能となった. 3.Navier-Stokes方程式に対する解析的な解の存在を保証する条件を不動点問題に定式化し,この段階で2.で行った線形化問題に対する誤差評価を近似解の改良および逆作用素のノルム評価に適用した.今後は,目的とする非圧縮性粘性流体の基礎方程式であるNavier-Stokes方程式に対する数学的な厳密解を含む集合を計算機内で自動的に構成する手法,アルゴリズムを与え,あわせて汎用性のあるライブラリを開発する.
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