1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09780310
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森田 昌彦 筑波大学, 電子・情報工学系, 講師 (00222349)
|
Keywords | ニューラルネット / 非単調神経回路網 / 時系列パターン / 軌道アトラクタ |
Research Abstract |
これまでの研究により,非単調神経回路網はコバリアンス則に基づく簡単な学習則によって,入力された連続的な時系列パターンを学習できることが明らかになっている.また,昨年度の研究により、非単調神経回路網のこのような性質を利用して簡単な時系列パターンの認識ができることがわかった.そこで本研究では,その認識過程を解析し,より複雑なパターンの認識を可能にするモデルの構成を行った. まず,基本的なモデルの認識過程を解析したところ,入力パターンをまだ認識不可能な段階では,回路網の状態が複数の軌道アトラクタの中間的な状態を取ることが重要であること,そのためにはそれらの軌道アトラクタがある程度接近している必要があることなどがわかった.このことから,複雑な時系列パターンを認識するためにはモデルの入出力部の間に中間部を設け,そこに入力部の軌道と出力部の軌道の中間的な軌道をアトラクタとして形成すればよいと考えられる. このような考えのもとにモデルを改良し,中間部への学習信号を生成する回路を付加した.この回路は,基本的にはランダム変換回路を用いて,入出力部への学習信号から中間部への学習信号をリアルタイムに生成する.これにより,誤差逆伝搬法などに比べてはるかに容易に中間部の学習を行うことができる.シミュレーション実験の結果,このモデルは,重複の多い複雑な時系列パターンを柔軟に認識できることが示された.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] M.Morita: "Recognition of spatiotemporal patterns by nonmonotone neural networks" Proceedings of ICONIP'97. 1. 6-9 (1997)
-
[Publications] 森田 昌彦: "非単調神経回路網による時系列パターンの認識" 電子情報通信学会論文誌(D-II). (印刷中).
-
[Publications] 外山 敬介(編): "脳と計算論" 朝倉書店, 303 (1997)
-
[Publications] M.Ito(編): "Brain and Mind" Elsevier, 341 (1997)