1997 Fiscal Year Annual Research Report
機能オントロジーに基づいた人工物の機能理解に関する研究
Project/Area Number |
09780335
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
来村 徳信 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20252710)
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Keywords | 人工知能 / 知識工学 / 対原モデル / 機能表現 |
Research Abstract |
本研究では対象物の構造と振舞いの記述から機能記述を半自動的に生成する機能理解システムの構築を目指して研究を行った.機能理解は3つのステップからなるが,本年度では2つのステップまでについて検討を行い,(a)振舞いから機能への写像関係,(b)機能間の依存関係の種類とその特徴を明らかにした.まず前者について,機能表現言語FBRLの機能解釈プリミティブごとに振舞いから機能への写像関係を同定した,また,発電プラントや化学プラントにおける典型的な機能概念を収集し,それらの機能概念を解釈プリミティブの集合によって定義した.定義した機能概念の数は約70個となった.これらの知識に基づいて振舞いモデルから自動的に機能解釈の候補を生成し,それらを機能概念とマッピングすることによって,ありえる機能解釈を生成する枠組みを構築した. つぎに,機能依存関係について実際の化学プラントを例題として分析を行った.効率的や防止的などの依存関係の種類について考察し,種類ごとに定義と公理を整理した.特に,防止関係について詳細な議論を行い,関係を理解するための手続きとそのための知識を同定した.防止関係を同定するために,化学プラントで起こり得る「爆発」や「突沸」といった不具合事象に関する知識を収集し,異常事象モデルとしてモデル化した.FBRL機能モデルと異常事象モデルを用いて,定性推論そ行うことで機能依存関係を同定することが出来る. また,機能依存関係理解を支える定性推論における基礎概念である因果性について深い考察を行い,因果性を支える時間概念を分類,定義した.時間スケールの違いや対象を捉える視点の違いなどを明確に示すことが出来た. 本研究は設計や診断といった問題解決において鍵となる概念である機能を振舞いから自動的に同定することを通して,機能レベルにおける設計や診断といった高度な問題解決の実現に貢献する.
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[Publications] Yoshinobu Kitamura: "A Causal Time Ontology for Qualitative Reasoning" Proc. of IJCAI-97. 501-506 (1997)
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[Publications] Yoshinobu Kitamura: "An Ontological Consideration of Causal Time in Qualitative Reasoning Systems" Proc. of QR-97. 227-285 (1997)
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[Publications] 上田俊夫: "設計意図を考慮した生産工程再設計システムの検討" 97年度人工知能学会全国大会講演論文集. 565-568 (1997)
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[Publications] 難破功次: "体系化された機能概念に基づいた動的システムの機能理解-化学プラントを例題として-" 情報処理学会第56回全国大会講演論文集. (発表予定). (1998)