1998 Fiscal Year Annual Research Report
機能オントロジーに基づいた人工物の機能理解に関する研究
Project/Area Number |
09780335
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
来村 徳信 大阪大学, 産業化学研究所, 助手 (20252710)
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Keywords | 人口知能 / 知識工学 / 対象モデル / 機能表現 |
Research Abstract |
本研究では対象物の構造と振舞いの記述から機能記述を半自動的に生成する機能理解システムの構築を目指して研究を行った.機能理解は(1)部品の振舞いをありえる機能解釈の集合へ写像する,(2)生成された機能解釈の間に存在する依存関係を解析し,意味のある機能解釈を同定する,(3)機能間の階層関係を生成し,対象全体が発揮する機能を同定する,の3つのステップからなる.昨年度行った(1),(2)に関する知見に基づき,本年度では(a)依存関係のさらなる考察と同定方法,(b)機能階層の知識とそれに基づく導出方法の同定を行った. まず,前者(a)について,昨年度明らかとなった機能間の依存関係をさらに解釈した「メタ機能」概念を捉え,「可能」や「供給」といったメタ機能概念を概念化し,定式化した.メタ機能は機能が他の機能に対して果たす役割を表し,機能同士がどのような協調を行って全体の機能を発揮するかを表現することができる.これらの定義を振舞いに対する条件として記述し,自動的に同定する枠組みを構築した.化学プラントや石油プラントを対象として導出実験を行い,妥当性を確認した. 次に,後者(b)の機能階層について,マクロ化の際の入出力関係に関する情報量の変化に着目し,その種類を同定した.また,その種類と「手段」概念との関わりについて考察を行った.最後に,種類ごとに階層化される部分機能間の関係を同定し,階層化の枠組みを策定した. 本研究は設計や診断といった問題解決において鍵となる概念である機能を振舞いから自動的に同定することを通して,機能レベルにおける設計や診断といった高度な問題解決の実現に貢献する.
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[Publications] Yoshinobu Kitamura: "Funetional Ontology for Functional Undevstanding" Proc.of OR-98. 77-87 (1998)
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[Publications] Yoshinobu Kitamura: "Towords.Redesign of Manufacturing Processes bosed or Functional Undevstanding" Poster Proc of Artificiad Inteligence in Design '95. 14- (1998)
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[Publications] 難波功次: "設計意図抽出を目的とした機能構造の導出に関する考察" 情報処理学会第57回全国大会講演論文集. 2. 457-458 (1998)
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[Publications] 上田俊夫: "機能レベル推偏のための機能オントロジーに関する考察" 98年度人工知能学会全国大会講演論文集. 44-47 (1998)