1997 Fiscal Year Annual Research Report
製造知識の蓄積と再利用のための計算機利用技術に関する研究
Project/Area Number |
09780359
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
西岡 靖之 東京理科大学, 理工学部, 助手 (50287471)
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Keywords | 問題解決 / 設計支援システム / 知識表現 / モノづくり / 製造知識 / オントロジー / 生産システム / ノウハウ |
Research Abstract |
製造知識は、作ろうとするモノの形や作るための道具、機械、場所といった空間的な情報と、手順や方法といった時間的な情報の2つの側面をもち、それらが密接に関係している。本年度は、このことを踏まえて、製造知識の表現に適している基本的な枠組みを示し、同時にそこで表現された知識を用いた推論方法の原理を確立した。この成果は、人工知能学会誌に掲載された2つの論文(1つは掲載予定)「空間的構造と時間的構造を同時に決定する問題解決フレームワーク」、「製造を考慮した対話型設計支援システム-エア駆動型ポンプ設計への適用-」で発表した。前者の論文では、知識表現方法とそれを用いた推論方法を簡単なサンプル問題を用いて明らかにし、従来の人工知能の研究の中で行われてきたものとはまったく異なる新しい枠組みを提案した。また、後者の論文では、実際の製造業において行われている問題解決としてポンプの設計を例にとり、提案する方法が有効であることを実証した。通常の設計問題では、その設計解として製品の形状のみが得られるが、提案する方法では製造方法も同時に得られることを示した。つまり、製造知識を計算機によって柔軟に扱うにあたって、本研究で提案する枠組みが非常に有効であることを示すことができた。現在、UNIX上のシステムをWindows95上に移植中であり、これにより製造知識の獲得をより容易にする。また、協力企業1社における情報収集のための環境整備も整のいつつあり、この作業が済み次第、本格的な実証実験を開始する予定である。
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