1997 Fiscal Year Annual Research Report
固定資産税算出GISのための地図属性記号抽出と道路網データとの統合
Project/Area Number |
09780378
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
渡邊 凡夫 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (80240498)
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Keywords | GIS / 国土空間データ基盤整備 / 地図属性情報抽出 / カラー紙地図 |
Research Abstract |
1 研究目的 現在進行している「国土空間データ基盤整備」と関連し、デジタル地図を前提とした「固定資産税算出GIS」の構築要素技術の開発研究。具体的には様々な情報が重畳するカラー紙地図を対象にして、町名等文字列・地図記号を抽出し、それらと道路等既存抽出データとの意味的統合が可能せしめる実用的データ構造を考案する。 2 研究状況 本年度は文字記号等属性情報オブジェクト抽出に重点を置き、前年度科学研究費にて購入した計算機を有効に活用して良好な結果を得、研究着手段階での設計方針の正当性が検証できた。 「トランス・メディア」の技術を参考に、確率に基づく抽出候補の検索を基本としているが、成果としての論文投稿先2学会の審査において本手法の独創性を認可された。 3 今後の研究展開 次年度では既存データの意味的統合に関する研究を行う計画であるが、本年度の研究に若干問題が残存している。そのため、過去の関連論文も再度調べたところ、高い目的遂行能力を持つ手法が確認できた。しかし、多くの手法がボトムアップ的な画像処理アプローチであり、文脈に強く依存する様である。 ビジョン研究ではトップダウンとボトムアップ双方向の情報の流れが必要であり、流れの概念が重要である。 ところで本手法に改良を施すと、小単位プロセスが並列的に候補個所を検索するシステムにもなる。もし、これらプロセスに相互通信による内部状態の動的遷移機能を課せば、対象環境に柔軟な反応を示すエージェントとなり、文脈依存性をある程度解消できるものと思われる。そこで、派生的課題として未知空間のオブジェクト抽出する「エージェント応用システム」に関する研究の必要性があると考え、平成10年度基盤研究「固定資産税算出GISのための道路評価手法の提案と実現」内に具体案を示し方向で科学研究費に申請している。
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[Publications] Tsuneo Watanabe: "An Extraction of Icons from Color Analog Map and an Identification of Road Graph Network" Proc.of IIntl.Conf.ATED Simulation and Modeling with AAAI. Vol.1. 85-88 (1997)
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[Publications] 渡辺 凡夫,他: "カラー市街地図からの文字情報抽出と位置推定の試み" 地理情報システム学講演論文集. 11-15 (1997)