1997 Fiscal Year Annual Research Report
広帯域ネットワーク上でのデータベース移動を利用した分散DBMSに関する研究
Project/Area Number |
09780380
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
春本 要 大阪大学, 工学部, 助手 (50263215)
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Keywords | データベースシステム / データベース移動 / 広帯域ネットワーク / 複製管理 / 主記憶データベース |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画に基づき、以下の成果を得た。 1.データベース移動を利用したトランザクション処理手法に関して、特にデータベース移動を分散データベース処理に導入することによって生じる並行処理制御の問題に関して検討した。具体的には、データベースを移動させている間に到着したアクセス要求の処理や、データベース移動を利用してトランザクション処理を行っている場合にさらに他のサイトからデータベース移動要求が到着した場合の並行処理を制御する手法を提案し、そのシミュレーション評価を行った。その結果、トランザクションのスループットを向上させることができることを示した。 2.広帯域ネットワークを有効に利用し、データベース移動を短時間で完了させるには、データベースアクセス時間を短縮する必要がある。そこで、データベース移動を考慮した主記憶データベースの設計を行い、プロトタイプシステムの実装を行った。実測評価の結果、従来のディスクベースのシステムよりもデータベース移動を高速に行えることを示した。また、主記憶データベースを実現するにあたって、データベースが移動することを考慮したバックアップおよび更新ログ管理の手法を考案し、その実装を行った。その結果として、バックアップ管理を行わなかった場合とほぼ同じ時間でトランザクションを処理できることがわかった。 3.データベース移動を利用したトランザクション処理手法を、データベースの複製を許す環境に適応させた手法を考案し、各サイトの記憶容量を考慮した動的複製配置法を提案した。そのシミュレーション結果から、更新操作が少ない環境では複製を許さない場合よりも処理を高速化できることを示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 原 隆浩: "データベース移動を用いたATMネットワークにおけるトランザクション処理" 電子情報通信学会論文誌D-I. Vol. J80-D-I No. 6. 505-513 (1997)
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[Publications] 原 隆浩: "データベース移動に基づく分散データベースとその並行処理制御機構" 電子情報通信学会論文誌D-I. (掲載決定). (1998)
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[Publications] Takahiro Hara: "Main Memory Database for Supporting Database Migration" Proc. IEEE Pacific Rim Conference on Communications, Computers and Signal Processing (PACRIM'97). Vol. 1. 231-234 (1997)
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[Publications] Takahiro Hara: "DB-MAN : A Distributed Database System based on Database Migration in ATM Networks" Proc. 14th International Conference on Data Engineering (ICDE'98). (発表予定). (1998)