1997 Fiscal Year Annual Research Report
ユネスコの図書館・情報政策の研究:アジア太平洋地域の発展途上国の観点から
Project/Area Number |
09780399
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
竹内 比呂也 静岡県立大学短期大学部, 助教授 (10290149)
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Keywords | ユネスコ / 総合情報政策 / 図書館情報政策 / 発展途上国 / 図書館 / 科学技術情報 |
Research Abstract |
ユネスコの図書館・情報政策,プログラムにおけるに発展途上国の位置づけを明らかにするために,ユネスコ創設期から第10回総会(1958年)までの間の基本文書の分析を行った.その結果,1.公共図書館開発にかかわるプログラムと学術情報・ドキュメンテーション開発にかかわるプログラムは,ユネスコ創設準備会議の段階から分けられていたこと,2.公共図書館開発に関わるプログラムにおいては,初期から発展途上国支援が打ち出されたが,学術情報・ドキュメンテーション開発に関わるプログラムにおいては,初期には発展途上国支援について全く考慮されていないこと,3.学術情報・ドキュメンテーション開発に関わるプログラムと発展途上国とのつながりが生じたきっかけは,「経済発展のための技術支援」プログラムが国連システム全体の活動として創設され,それに対して国連専門機関であるユネスコがこの領域での支援の可能性を表明したこと,4.学術情報・ドキュメンテーション開発の領域では,科学技術情報ドキュメンテーションがその最初の焦点となったが,それにはフランスの影響が大きく,当時のフランス国立科学ドキュメンテーションセンターを範とした国立科学ドキュメンテーションセンターの建設が発展途上国において進められたこと,5.ユネスコの通常のプログラムの中に科学技術情報・ドキュメンテーション分野での発展途上国支援が打ち出されたのは1958年であるが,これは同年米国で開催された「科学情報に関する世界会議」とかなり密接な関連がある可能性があることが明らかになった.
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