1997 Fiscal Year Annual Research Report
統計的モデル選択による平均値構造の同定とその意思決定問題への応用
Project/Area Number |
09780403
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
関 庸一 群馬大学, 工学部, 助教授 (90196949)
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Keywords | 樹形回帰分析 / 平滑化問題 / 変化点問題 / MDL基準 / 尺度水準 / 計算量 |
Research Abstract |
本研究では、経営管理上発生する意思決定問題のうち、データ発生源の平均値構造の変化/同質性の同定問題を扱っている。本年度は、MDL基準などのモデル選択基準の統計量としての特性を検討するとともに、平均値構造の変化を補助変数から明らかにする問題として、以下の二つの問題を取り上げ、MDL基準に基づく問題に適したモデル選択基準の導入と、平均値構造モデルの推定方法の提案/開発を行なった。 1.共変量の尺度水準に対応した樹形モデルの構造推定法 一般化線形モデルのうち、最近開発の進んでいる樹形解析を共変量の尺度水準を考慮した解析法に拡張する方法を提案した。共変量の考え得る3通りの尺度水準(間隔尺度、順序尺度、名義尺度)に対応し、決定木の生成における分岐条件の構成法を与え、推定プログラムを開発した。 2.単一共変量による目的変量の平均値構造の変化点推定 従来提案していた局所モデルを利用した最適化アルゴリズムは、局所最適に陥りやすい欠点があったが、局所モデル連結アルゴリズムを改良し、推定精度を改良するアルゴリズムを開発した。 来年度への課題としては、以上の提案アルゴリズムの計算量の低減が挙げられる。計算量は問題規模や誤差分散の増大とともに急速に増える。そこで、算法の検討とともに、推定結果の良さを失わないようなモデルクラスの制限方法も合わせて検討を進め、提案法を改良することが課題となる。また、モデル選択の誤りによる損失が与えられた際の、モデルクラスに対する事前分布形式についても検討を進める。
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