1997 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク流問題に対する実装を考慮した高速算法の開発とその拡張性に関する研究
Project/Area Number |
09780406
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大江 麻衣子 (繁野 麻衣子) 筑波大学, 社会工学系, 講師 (40272687)
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Keywords | ネットワーク流問題 / 多項式時間算法 |
Research Abstract |
本研究では,ネットワーク流問題に対する実装を考慮した算法を開発し,その可能性と実用性を検討することを目的としている.実装のしやすさという点から,算法の枠組みとして単純なキャンセリング法に着目し,算法の開発をおこなった.過去のキャンセリング算法の主・双対の関係をみなおし,算法を高速にする手段の一つである近似最適性と組み合わせることで,他のキャンセリング算法よりも理論面,実用面ともに劣らない算法を構築した.さらに,より得られた情報を効率よく利用するために近似を二重に導入した算法を提案し.理論的計算量の面で既存の算法と同時に高速であることを確認した. また,ネットワーク流問題の一般化である劣モジュラ流問題において,提案した算法が有効であり,他のキャンセリング算法よりも拡張性があることを確認した.しかし,ネットワーク流問題においては,主・双対の両面から対照的に算法を構築していたのに対し,劣モジュラ流問題に一般化すると,主算法のみしか有効ではない.双対算法も拡張可能であることは確認したが,高速算法とはいいがたい. 今後は、他のキャンセリング算法の拡張性も検討し,各々の特徴を見極めると同時に,他の枠組みを用いたネットワーク流問題に対する実装を考慮した高速算法の開発が課題である.
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